「KABRI_27」ユダヤのネットワーク | 針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

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ヨーロッパでスイスはチューリッヒでの路上テキ屋物語、ドロップアウトした青春ストーリー

 




ユダヤのネットワーク。

ここのメンバーの家庭、写真の趣味があったりオーディオに凝っていたり、
趣味は多彩。

絵を描いているロナンはウオークマンⅡを持っている、大事にしておりまして
他のボランティアには見せないが、私には特別です。

何でも床に落として、テルアビブのソニーサービスで直してもらったら、
400チェッケルもかかったそうで、そう6000円もの出費は痛いです。

ロナンにチョっと、ウオークマン貸して、と言ったら、OKだけど……
「ムイ・クイダード、ムイ・クイダード」って言うわけ、気をつけろよ、
と言う意味のスペイン語です。

ロナンは17歳ですが、親父がアルゼンチン人なので、彼にもスペイン語を
学ばせようと、2年間ペルーの、アレキーパに住んでいたそうで、ですので
クスコやマチュピチュなどもよく知ってました。

私も行ったことがありましたので、気が合うと言いますか、簡単なスペイン語で
彼とはコミュニケーシュンは取れました。

ロナン、オフェール、ステファン、ジェーン、17~8歳年齢の同級生なのです。
この中でロナン、オフェールは一戸建ての一人部屋に住んでおりますが、
他の高校生年齢の連中は2人で一部屋なのだそうで、そんな二人部屋は新しく
快適なのだそうだ。

ロナンとオフェールは古い建物でも一人の方がいいと、彼らはそうしています。
でこの二人は、仕事も持っておりまして、他の高校生と立場は少し違います。
持っている物も、オフェールはステレオを持っておりますし、

ロナンはテレビとウオークマンを持っています。
多分、彼らは働いておりますので、それだけ余裕があるのかもしれません。

キブツは、ここで生活している人々全員が一つの家族といった感じです。
「KABRI」では700人ものメンバーがおります、大きな規模のキブツといえます。
そして世界中から集まってきている、カナダ、アメリカ、中米、南米……
ヨーロッパ、そして数は少ないですが中東エリアからも来ております。

ここで育つ子供達、国籍に関係なく3年以上住むと兵役に行く義務が生じます。
兵役を終わると世界の色々な国を長期旅行する、そんな若者が多いです、当然
彼らの兄さん、姉さんといいますか気持ち的な家族は世界中に散ってるわけで、
そうした、縁をたどれば世界どこにでも家族がいて、働いている。

キブツで育った兄弟は世界中どこにでもいる、そうした家族を訪ね旅をする、
そんなのが出来てしまう、ユダヤのネットワークに恐れ入ります。

3人目の英語の先生、カルフォルニアからのヨシ(Joshi)、彼のお兄さんは
サンフランシスコ・ジャイアンツの選手だそうで、プロ野球選手が兄とはそれも
凄いなと思いました、だが、血のつながっているお兄さん?とは聞かなかった。

彼に「yoshi、クリスマスにはどこに行くの? 日本に帰るの?」と聞かれました。
「僕はUSAに帰るか、まだ分からないけど、もし帰らなかったら、僕がシナイ半島を
案内するから、2週間くらいで行かないか、シナイ半島にはいとこもいるし」と
誘われました。

嬉しかったですね、子供に旅行案内をしてもらえるとは、アメリカに帰らないで
欲しいと願いました、同時にどこにでも親戚がいるんだね、驚き。

招待を受けたファミリー、クラウディオ夫婦の息子、ステファン(Stephane)の
ホントの両親はフランス人なので、彼自身はフランス語が母国語なのです。
そんな関係で、奥さんのアンドレイがフランス語が出来るので、ここのファミリー
なのでしょう。



こうした世界中に散ってるユダヤ人ネット、私がどれほど世界中を旅して
友達を沢山作ろうが到底かなわない、数と関係の濃さはユダヤの民でなければ
作り得ないのでしょう。

そして先々、彼が彼女が、所属する組織が、どのように関わり、どのように
発展、恩恵を得るのか計り知れません。

 

――つづく――