針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

ヨーロッパでスイスはチューリッヒでの路上テキ屋物語、ドロップアウトした青春ストーリー



ゲットー(ghetto)。

キブツ「KABRI」では、ボランティアの住んでいる住居をゲットー(ghetto)と呼ぶ。

メンバーや子供達の住むエリアとは違う、キブツ内部というか外部に近い場所にある。

40人くらいのボランティアが住んでいる、シャワーもトイレも共同である、
3部屋が一戸建て長屋、そんな作りの平屋家屋、それが6軒ある、粗末な作りの
プレハブ小屋といった言い方が当たっているかもしれない。

しかし、暖かな気候でもあるし、それまでも旅をして、ここ以下の安宿に
泊まり、旅したのが常である私にとって不足はありません。

男性用トイレ・シャワー、女性用トイレ・シャワーがあり、温水もいつも出る。
一部屋2~3人で入っている、私の部屋は3人、リッキーとラッセルと私。

私が来る前は、リッキー一人でこの部屋を使っていたのだが、私が入った次ぐ日、
ラッセルが入ってきた為、3人の満杯状態です。

ラッセルが来たとき、友達を3人連れてきた。
みんなここで働くのかと、思ったら友達3人はその日に帰ってしまった。
この友達ってのがラッセルのフィンランド人の友達とその奥さんで、イスラエル人。

何でも、彼がキブツに来たそうだ、そして彼女と知り合った。
彼女19歳、彼と結婚した、その理由が兵隊に行くのがいやで結婚したと、結婚すると
女性は2年の兵役を免れることが出来るのだと。 アハ~
たまには、そんなハイラエルの女性もいるわけです、でもって相手がフィンランド人
ですから彼も兵役義務はないわけで、めでたし~ ってところです。

もう一人の友達がカナダからの女の子。
その結婚した女の子といとこ同士だと行っておりました、いやはや、えらい国際的な
家族関係だな、そんなだったら、なにもイスラエルで兵役義務を果たさなくても
どこの国でも働けそうです、なかなか素晴らしいです。

そういうのもユダヤ社会なのかな、などとも思ったのです。

スイスでテキ屋をやっていて、仲間内にもカナダからでジューリッシュの
女の子がいました、私とは仲がよくて、yoshi、カナダに来たら家に遊びに来てくれ、
そんなに言われてもいましたので、カナダにもユダヤ人って多いのかなと思った。

ここでの生活で毎日仕事をしますので作業着も汚れます、チキンの出荷などですと
糞だらけで臭いも半端でない作業着になりますので、とても着られません。
では、洗濯は?
ハイ、ランドリーに出します、バスケットが外に用意してあるのでそこに投げ込んで
おきますと2~3日後には、綺麗に洗われて帰ってきます。

管理部屋がありまして、そこに個人の棚があります、衣類は作業着から下着に至るまで
タグをつけてそこにマジックで「V-32」とか書いておきます。
ボランティアの32番が私だとしますと、その棚に全ての洗濯上がりの衣類がたたんで
置かれるわけです。

全ての個々人の洗濯物はそんなにして洗濯され帰ってきます、ランドリーが又、
キブツ全員の洗濯物をやるわけでありまして、そのマシーンも大きなマシーンです。

そして、衣類ですけど、管理部屋に古着が沢山あります、そんなに悪くない
品も沢山あるわけです、そんな中から、自分に合いそうなのを選んで自分のタグを
つけて、ランドリーのバスケットに放り込んで置けば2日後には、オシャレも
それなりに出来るわけです。

ヨーロッパあたりから、古着を沢山買い付けて来るのかも……

衣、食、住のイメージはつかめたかと思いますけど。

私があまり好きではない、この住居の呼び名、ゲットー(ghetto)、なんでも
ナチス・ドイツが設けたユダヤ人強制収容所を「ゲットー」と呼びます。

ボランティア・ビレッジとか呼んでくれたら、多少は重い感じはしないのですけど。

 

――つづく――