「KABRI_17」クレイジーでなくアブノーマル | 針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

針金師フーテンの日々☆スイス・チューリッヒ・ニーダードルフ物語

ヨーロッパでスイスはチューリッヒでの路上テキ屋物語、ドロップアウトした青春ストーリー


イディ(Idit)


クレイジーでなくアブノーマル。

ベンジーとニザンのネームを作って、バースデイ・カードも入れた
封を彼らにプレゼントしてきました。

彼らのパーティーは週末の金曜日、キブツ・ファミーリーと共に行われます、
その時まで、オープンしないように約束して二人に渡しました。

開けて驚くでしょう、自分の名前が一本のシルバー・ワイヤーで作られている、
そしてそれはピン仕立て、ブローチになってます。

他の子供が見たら、俺も、私にもとせがまれそうで、攻められそう。

賢い女の子がいました。
イディ(Idit)、彼女に今日、とてもきれいなハンカチ刺繍をもらいました。
素晴らしい作品です、自分で作った刺繍だそうで、ヘブライ文字で「愛」と
書かれているそうな、ありがとう。
明日、イディにもお礼にネームを作ってあげよう。

彼女はまだ15歳、来年は高校生です、キブツの中の高校プログラムをこなすの
でしょう、そして18歳でアーミーです。
今は、まだ童顔の残る純な顔つきですが、あと3年、立派な女性になるのでしょう。

イスラエルの女性は強いです、この国では男女の差別があまりないように思う、
特にキブツで育った子供達の間では男女の差を感じません。

イスラエルの子供達は恥ずかしがり屋さんが多いです。
子供達でワイワイガヤガヤと騒いで、話をするのが好きです、仕事をしていても
賑やかで楽しそうです、そしてカメラを向けると、真っ赤な顔して顔を隠したり。
日本の田舎の子供ととても似ているのかな……

同じようにスイスで子供の写真を撮りましたけど、スイスの子供はほとんど
カメラなんて意識しない、違います。

南米を旅していたとき、イスラエルの人に沢山会いました。
皆、おとなしくて、こういうのがイスラエル人なのかな、と思ってましたが、
ここイスラエルに来たら、そんなにおとなしい国民ではありませんでした。

なんやかや討論好きなのです、彼ら同士だとですけど、日本人のようです、
外国人の中に一人ポツンといると、何を考えてるのか、おとなしい人なのです。
これは言葉の壁が大きく影響しているだろうことと、欧米文化をあまり知らない、
と言うことだろうと私は思います。

子供達に「日本人はyoshiみたいなのか?」と聞かれる。
私は「いや、俺は普通の日本人より、クレイジーな日本人だ」

子供達が「yoshiはクレイジーなのか、ワー~」って喜ぶ。
私は「ウン、俺はアブノーマルだから、クレイジーなんだ」

すると「yoshi、お前はクレイジーでなくて、アブノーマルなんだろ」と、
イヤイヤ、賢い突っ込みで、私も返す言葉がないです。
アブノーマルと言う言葉を、異常とはとらず、才能が特出していると言う意味で
とってくれるのです。

私が「日本ではネ、アブノーマルな人間はクレイジーと見られるのだよ」

子供達は「それは違うよね……」と自分の個性や才能を伸ばしてくれる、ここ
キブツのリベラルな教育に接している彼らには、そう感じるのかも。

「yoshi、お前はキブツが好きか?」
「日本では住めないだろう、クレイジーだから」よく分かってくれてます。

そんな時「私はキブツが好きだよ」って彼らに言うのです。
この、子供達の正直な態度、雰囲気、回転の良さ、そして心優しさにやられます。

 

――つづく――