これを着るとき、いつも、ロッタちゃんの「ブタクマ」を思い出す。
バムセという名前のロッタちゃんのぬいぐるみは本当は豚だけれど、ロッタちゃんはそれを「くま」よ、と言い張る。そのシーンだ。
「長靴下のピッピ」という童話を書いたリンドグレーンの原作で、「ロッタちゃん」シリーズ、映画になっている。
恥ずかしながら私はピッピもロッタもその原作を読んだことはなくて、娘と図書館で借りて読んだことはあるけれども、それも映画のDVDを観た後のことだ。娘がもっと幼い頃も、今もお気に入りのDVDのひとつだ。
ロッタちゃんがお気に入りのバムセをおにいちゃんに「そんな汚いブタのぬいぐるみ」と言われて「ブタじゃない、クマよ!」と言い返すのだけど、私はほとんどどうでもよく観ていたのだが、夫がそこでいたく共感していた。
「分かる。本当はブタだって分かってるんだよな。分かってるんだけど、本当はテディベアかなんかのクマのぬいぐるみが欲しかったんだろうな、それでこれはクマだ、クマだってことにしておこうって、そう思って大事にしてるんだよな」
なるほど、そういうことだったのか。
思えば小さい頃はよくそんなことがあったなと思い出す。
私が幼少の頃に良く遊んだバービー人形は、父が買ってきたもので、なぜか日本製のものではなかった。皆が持っているリカちゃんのような愛らしい人形がどれほど羨ましかったかしれない。大人になってから、私はそのバービー人形をとても懐かしく愛しく思ったけれど、幼心なんてそんなものだ。
そんな幼心が私のこの胸にまだ宿っていると見える。
ただの浴衣なのだけれど、なんとか上布ってことにしてるんだもん、って衿をつけて着る。
夏が近づいているなぁと思いながらも、まだ白い浴衣じゃ早い。それでもつい袖を通してしまった、暑い一日。
浴衣の季節になると、外出時にお洋服に着替えることもあるけれど、朝から晩まで一日中和服でいる日は不思議と気持ちが良い。
この日は前掛けも短め。少しでも涼しくと思う。
少しでも上の方につけて帯が汚れないように。
段々になっているのが気に入っているエプロン。
ショッピングセンターの雑貨屋で買ったもの。
かれこれ10年くらい使っている(笑)
手に握り締めているのは襷に使っている腰紐。
いつもありがとうございます。
小奈津