日曜日は高橋陽子先生の不妊症の中医弁証論治についての講義でした

 

12/19の日曜日は月に1度の埼玉中医薬研究会の定例会でした。

婦人科がご専門の高橋陽子先生のご講義でとても勉強になりましたので、まとめていこうと思います。

 

今回もズームでの開催でした。ズームはどこにいてもネット環境があればどこからも聞けるのはとてもありがたいですね。

ですが、講義をされる先生方はご自身のパソコンから配信されることが多いので負担が大きいのはあるように感じます。

高橋先生のパソコンのご機嫌が斜めであったため、先生はとても大変そうでした。

そんな大変な中でもご講義をしっかりと行ってくださいました。改めて感謝申し上げます。

 

早速ですが、ご講義の内容をまとめていこうと思います。

 

西洋医学としての不妊の原因には主に、以下のことが挙げられます。
①卵管因子(30%)クラミジアによる炎症、内膜症による詰まり
②排卵因子(20%)高プロラクチン、PCOS(多嚢胞卵巣)、卵巣機能低下、甲状腺ホルモン異常
③子宮因子 筋腫や内膜症
④頸管因子
⑤男性因子(30〜50%)
⑥原因不明

また、女性の身体を中医学的に考える時、いくつかのポイントがあります。
まず、女性の特徴としましては経(月経)・帯(帯下、おりもの)・孕(妊娠)・産(出産)・乳(授乳)といった男性には無い女性特有の出来事があります。

これらの出来事には中医学で考える場合、以下のことが関わると考えます。
①血 身体の栄養となるもの
②気 血を生じ、めぐらし、漏れでないようにするもの
③精 成長や発育、生殖に関わる
④腎 精を蓄え、成長発育生殖に関わる
(性腺軸 西洋 視床下部→下垂体→卵巣→子宮
     東洋 腎気充実→天癸→衝任脈盛→ 胞宮気血充実→経・帯・任)
⑤脾 消化吸収に関わる
⑥肝 血を蓄える、気の巡りに関わる
⑦心 血や脈に関わり、精神活動に関わる
⑧胞宮 子宮のこと。月経(出す方向)、胎児(蔵の方向)に関わる
⑨衝任督帯 気血の通り道で胞宮と関わりが強い


つまり、女性の子宮に関わる出来事には、子宮だけの問題ではなく身体の様々な影響を受けているということがわかります。

ですので妊娠を考えるときに先程のどこかに問題があることで妊娠へ中々結びつかないことが出てくるのです。

妊娠といったことを第一に考えるときに、気血精の充実(脾や腎が関与)+気血精の巡り(肝が関与)が大切となってきます。

中医学では普段の生活からもご自身の何が弱っているかを考えることができます。
例えば、妊娠に大きく関わる脾や腎や肝について考えてみますと、
●脾の力を弱めてしまう要因としてはもともと胃腸の弱い方や、普段から冷たいものをよくとられるかた、暴飲暴食が多い方、
●腎の力を弱めてしまう要因には過労(働きすぎ、遅寝、徹夜などが含まれます)、
●肝の力を弱めてしまう要因にはプレッシャーの多い生活(責任の大きい役職の方、緊張の多い生活をされる方、妊娠へのプレッシャー)、我慢の多い生活、などが挙げられます。

月経や基礎体温表からもご自身の体質が妊娠にとってどのように影響しているか予測することができます。

例えば初潮が来た年齢ですが、14~15歳以降であると少し腎のちからが不足していると考えます。(日本女性の初潮の平均は12~13歳で中学校入るころまでにくることが多いようですね)

ほかにも、月経周期が何日周期であるか、出血の持続期間は何日か、経血の量はどのくらいか、色はどうか、塊の有無、月経痛の有無などから体質を予測していきます。

基礎体温からは低温期の長さ、高温期の長さ、また体温はしっかりあるか高すぎないか、体温の起伏が激しいかどうか、高温へ移行するときには何日かかるか、低温期と高温期がしっかりあるかなどを見ていきます。

 

まずは妊娠のためにどのように体が繋がって作用しあっているかについてお話くださいました。

 

後半は実際に体質ごとにどんな症状やどんな治療法を行っていくかについて学びました。

いくつか面白いお話もありましたので次の記事に載せていこうとおもいます。

 

漢方 鍼灸 眞健堂 田中紗百合クラッカーニコニコ