小太郎漢方製薬第11回全国学術大会レポです



コロナ禍ではzoomなどのオンライン講義が主流になりつつありますね。。。パソコン宝石ブルー


去年に引き続き1部は兵庫県 末広薬局 高橋宏和先生による、五積散と独活寄生丸を中心に腰痛の漢方治療についてご講義いただきました。


腰痛には外からくるもの、内からくるものとあり、

①外からくるものには主には、寒冷多湿の気候や、雨に濡れたり汗をかいたあとに冷えて発症する風寒湿腰痛があり、

②内からくるものには主に、加齢や過労、不規則な生活、過度の性生活、慢性病からくる腎虚腰痛があります。


こういった場合にそれぞれ五積散や独活寄生丸はよく使えるとのことでした。


また、冷えて体調が悪くなった四つ足の牛さんが五積散を食べると元気に仕事をしてくれるといったエピソードがとても印象的でした。馬



2部では目黒の桑楡堂薬局 邱紅梅先生がご講義してくださいました。


こちらも去年に引き続き婦人科についてご講義くださいました。去年は血についてのお話しでしたが、今年は気に関わる症状を中心に実際の症例とともにお話しくださいました。


①補気について

日本人女性には甲状腺ホルモンの疾患が多いとの邱先生の見解も交えながらお話しくださいました。不妊治療をされていると橋本病の治療薬のチラージンを服用されている方が割に多いですが、実際に妊娠前はコントロールができていても妊娠後にコントロールしにくくなってしまう症例についてでした。

チラージンでコントロールしにくくなり、甲状腺機能の亢進と低下を繰り返す場合気陰両虚のことが多いとのことでした。


②妊娠初期の悪性の悪阻について

妊娠初期の6週〜16週までは程度の個人差はありますが、基本的につわりは起こってくるものです。今回はこの期間を超えて、さらに絶えず吐いてしまい電解質のコントロールが出来なかったり、脱水状態を起こしてしまった悪性の悪阻の症例についてでした。

つわりは基本的に脾気虚が背景にあると考えるとの事でした。

妊娠希望の方は朝食を食べれるようにすることも脾気虚を改善するひとつの方法であるとお話しくださいました。


③逆子について

逆子は基本的に鍼灸での治療が市民権を得ておりますが、漢方薬でも改善する方法はあります。気虚や脾気虚が体質のベースにあるとのことでした。


④子宮頸部異形成について

こちらも基本的には補気をしながらも、異形成は中医学としてはオケツと考えますので活血も合わせて行います。


邱紅梅先生はとてもパワフルでいつも元気をもらえます。にゃーキラキラ


3部は茨城県 漢方専門薬局 厚仁堂 陣内秀喜先生

呼吸器疾患の症例 生脈散、麗沢通気加辛夷についてのご講義でした。


いつもお優しい陣内先生。今日も変わらずのお優しさでした。

鍼灸についてもいつもお気にかけてくださってくださいます。ペンギン


いつものように膨大な文献とともにお話しを進めてくださいました。


今日は医案(症例集)についても詳しくお話しくだり、実際に医案を書いていく上での形式や注意点についてご講義くださいました。以前陣内先生が医案についてお話ししてくださったときは臨床に立っていなかったので、書くことはありませんでしたが、今回お話しを聞いてやってみたい気持ちが出てきました。


また、コロナ後遺症の嗅覚障害の医案についてもお話しくださいました。


早速御三方のご講義を明日からの臨床に生かしていけたらとおもいます。

とても有意義な3時間となりました。


眞健堂薬局 鍼灸眞健堂 田中紗百合ヒツジチューリップ黄