カエルのセリフはゲール語か。 あるいは意味をなさない鳴き声か。
スティス・トンプソンによると、「かえるの王さま」の起源は13世紀のドイツに遡り、この物語のラテン語版が書かれている。その後、16世紀にスコットランド版「世界の終わりの井戸」が登場する。
▼シュル・ラ・ルン __カエルの王様の歴史
13世紀のラテン語版は追えなかったが、「世界の終わりの井戸」の起源となる「The Tale of the Queen Who Sought a Drink From a Certain Well」は、読むことができる。
和訳するなら「とある井戸に水を求めた王妃」かしら。
▼「The Tale of the Queen Who Sought a Drink From a Certain Well」概要
「とある井戸に水を求めた王妃」を採話したキャンベルは『Popular Tales of the West Highlands』のなかで、彼の情報提供者をアイラ島ポート・エレンのマクタビッシュ夫人として挙げており、この話は1548年にまで遡ることができると書いている。
昔々、ある王妃が病気で、三人の娘がいた。王妃は長女に言った、「まことの水の井戸に行き、私を癒す水を持ってきておくれ」
娘は出かけてゆき、井戸に着いた。一匹のヒキガエルが近づいてきて、「もし王妃のために水が欲しいのなら、私と結婚しないか」と娘に尋ねた。長女は「どんな理由があっても、私はあなたと結婚しません」と答えると、ヒキガエルは言った。「それならば、水はあげられない」
長女は家に帰り、母親は今度は次女に頼んだ。次女は井戸にたどり着き、ヒキガエルが近づいてきて、「もし水を手に入れたら結婚してくれるか」と尋ねた。「私はあなたと結婚しません、恐ろしい生き物!」と次女が答えると、「それならば、水はあげられない」とヒキガエルは言った。
次女は家に帰り、今度は末の王女が水を探しに出かけた。末の王女が井戸に着くと、ヒキガエルがいつものように現れ、「水を手に入れたら結婚しないか」と妹に尋ねた。「他に母のために癒しを得る方法がないのなら、あなたと結婚します」と末の王女は言った。
夜になって、ヒキガエルが玄関にやってきて言った。
A chaomhag, a chaomhag,
An cuimhneach leat
An gealladh beag
A thug thu aig
An tobar dhomh?
A ghaoil, a ghaoil!
優しい方 優しい方
思い出してください
あなたが約束してくれた
小さな誓いを
あの井戸のそばで
井戸のそばで
私の愛、私の愛!
ヒキガエルが絶え間なくこう言い続けたので、末の王女は立ち上がって彼を家にいれて、ドアの後ろに寝かせてベッドに入った。しかし、ベッドに横たわって間もなく、ヒキガエルはまた言い始めた。
A hàovaig, a hàovaig,
An cuineach leat
An geallug beag
A hoog oo aig
An tobar gaw,
A géule, a géule.
(中略)
この話やその他の話を親切にも書き留めてくれた女性は、私の古くからの友人の一人である。
彼女は大家族を育て上げ、その優れた記憶力で、尊敬する牧師であった夫が西ハイランドで過ごした長い人生の間に集めた物語を覚えている。
この物語は、チェンバーズが出版したスコットランド版「Wearie Well at the Warldis End」のケルト語版であることは明らかで、グリムはその第3巻の注釈「Der Froschkönig」でこの物語に言及している。
スコットランドには現在も多くのバージョンがあり、広義のスコットランド語で語られている。そして、その歴史は1548年まで遡ることができる。
グリムによれば、これはドイツ最古のものに属する。この版は明らかにゲール語に属している。蛙の話し方は、池の中で春に鳴く蛙のゴロゴロと鳴き声を真似たもので、私は英語の文字で英語の読者に伝えようと努力したが、この意図でゲール語で繰り返されると、とんでもなく似ている。同じ音をしつこくしつこく繰り返すのも、邪魔はされるがあまり怯えないカエルの習性と非常によく似ている。カエルのコンサートに石を投げ入れるという実験をしてみよう。そして、池が再び大合唱になるまで、さらに多くの鳴き声が加わる。グアーク、グアーク、グイルグイルグイル。
▼シュル・ラ・ルン __カエルの王様の注釈付き物語
カエルのセリフはゲール語か。
あるいは意味をなさない鳴き声か。
「三枚の鳥の羽」で、末の王子が地下で出会うヒキガエルの言葉を覚えている?
それもまた、ゲール語に由来するのかもしれないね。
Jungfer grün und klein,
Hutzelbein,
Hutzelbeins Hündchen,
Hutzel hin und her,
laß geschwind sehen, wer draußen wär.