セントブリジッド2


牡丹一華(ボタンイチゲ)はキンポウゲ科イチリンソウ属(アネモネ属)の多年草である。
学名からアネモネないしアネモネ・コロナリアの名で流通しているものが本種にあたる。
原産地は地中海沿岸地方である。
日本へは明治時代に渡来し、俳句の季語ともなっている。
セントブリジッド(St. Brigid)はイギリスで育成された園芸品種のグループである。
花が半八重になるのが特徴である。
草丈は10~30センチくらいである。
根際から生える葉は手のひら状に深く裂ける。
開花時期は3~4月である。
写真のものは紅色だが、花の色は白、桃色、青紫色など多彩である。
花びらは軟らかくて丸みがある。
ただし、花びらは花弁ではなく萼片である。
咲いて数日で、花びらがばらっとしてしまうのが難点である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Anemone coronaria cv. St. Brigid


★ふくよかに咲いた紅花美しく
 アネモネだとはとても思えず


セントブリジッド


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山躑躅(ヤマツツジ)2


山躑躅(ヤマツツジ)はツツジ科ツツジ属の半落葉低木である。
北海道の南西部から九州にかけて分布し、山野の林の中や林の縁に生える。
樹高は1~4メートルである。
葉は楕円形ないし卵状の楕円形で、枝先に集まってつき、互い違いに生える(互生)。
なお、山躑躅(ヤマツツジ)の葉には春葉と夏葉がある。
春につき秋に落ちる葉を春葉という。
夏から秋にかけてつき越冬する葉を夏葉という。
春葉は大きく(長さ2~5センチ)、夏葉は小さい(長さ1~2センチ)。
落葉をするが冬の間も葉があるということで、「半落葉」ないし「半常緑」という分類がされている。
開花時期は4~6月である。
花の色は朱色のものが多いが、赤味が強いものもある。
花冠は花径4~5センチの漏斗形で、先が5つに裂ける。
裂片には丸味がある。
裂片のうち一番上のもの(上弁)には、濃い斑点がある。
雄しべは5本あり、長く伸びて先が上に曲がる。
白っぽい花粉は数珠のようにつながり、虫に運ばれやすいようになっている。
写真は4月に板橋区の赤塚植物園で撮った。
学名:Rhododendron kaempferi(=Rhododendoron obtusm var. kaempferi)


★朱の色がとても眩しい山躑躅
 若葉の頃を彩り咲いて


山躑躅(ヤマツツジ)


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アプリコットインプレッション2


チューリップはユリ科チューリップ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方から中央アジアにかけた一帯である。
17世紀のオランダで熱狂的なブームを巻き起こした。
今日では園芸品種の数は4000種を超えるという。
アプリコットインプレッション(Apricot Impression)もその中の1つである。
「中生咲き」といわれるグループの中のダーウィンハイブリッド系(Darwin Hybrid)に分類される。
ゲスネリアナ種(Tulipa gesneriana)のダーウィン系を種子親とし、フォステリアナ種(Tulipa fosteriana)を花粉親とする種間交雑種である。
草丈は60~70センチくらいである。
根際から生える葉は帯状である。
開花時期は4~5月である。
花の色はサーモンピンクである。
アプリコット(apricot)は杏(アンズ)のことで、その色ということになる。
写真は5月に函館の「市民の森」で撮った。
学名:Tulipa cv. Apricot Impression


★サーモンの色がこの地に似合うかな
 市民の森は春の色づき


アプリコットインプレッション


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蜆花(シジミバナ)2


蜆花(シジミバナ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。
原産地は中国である。
日本へは古い時代に渡来した。
樹高は1~2メートルである。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖るものと尖らないものがある。
葉の表面は艶があり、裏面には軟毛が密生する。
開花時期は4~5月である。
白い八重の小花が枝いっぱいにつく。
雄しべや雌しべは退化していて、結実しない。
和名は花の様子を「シジミ」の中身に譬えたものという。
別名を爆ぜ花(ハゼバナ)という。
漢名は「笑靨(しょうよう)」といい、笑窪を意味する。
花の真ん中の窪みを笑窪に見立てたのだという。
俳句の季語は春である。
写真は4月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Spiraea prunifolia


★ずっしりと枝にはりつき蜆花
 笑窪こぼせば春は爛漫


蜆花(シジミバナ)

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二輪草(ニリンソウ)2


二輪草(ニリンソウ)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、林の中や林の縁に普通に生える。
根茎で繁殖するため、大群落をつくることがある。
草丈は15~30センチくらいである。
根際から生える葉には長い柄があって3つに深く裂け、菱形の側裂片も2つに深く裂けて更に細かく切れ込む。
茎につく葉は茎を抱いて3枚が輪生し、深い切れ込みがある。
開花時期は4~6月である。
普通は2本の長い花の柄を伸ばし、先端に花径2センチくらいの白い花をつける。
ただし、花の柄は1本のときも3本のときもある。
花弁のように見えるのは萼片で、5枚から7枚くらいある。
花の真ん中にはたくさんの雄しべと10個くらいの雌しべがある。
別名を鵝掌草(ガショウソウ)という。
葉は食用になるが、「鳥兜」とよく似ているので誤食の危険がある。
俳句の季語は春である。
写真は3月に赤塚植物園で撮った。
学名:Anemone flaccida


★にこやかに見つめあい咲く二輪草
 真白き思い忘ることなく
☆寄り添いて微笑み交わす二輪草
 風に揺られる楽しみ知りて


二輪草(ニリンソウ)


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姫梶苺(ヒメカジイチゴ)2


姫梶苺(ヒメカジイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉低木である。
梶苺(カジイチゴ)の小形種である。
分布域ははっきりしないが、海岸近くの山地に生える。
樹高は1メートルくらいである。
葉は手のひら状に3つから5つに裂け、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根の部分は心形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は3~5月である。
枝先に花径2~3センチの白い5弁花を咲かせる。
実は直径1~2センチで、5~6月に赤く熟する。
名の由来は、葉がクワ科の梶の木(カジノキ)に似ることからきており、小形なので「姫」がつく。
写真は5月に向島百花園で撮った。
学名:Rubus x medius


★実の色はやっぱり赤がいいのよと
 言うがごとくに姫梶苺


姫梶苺(ヒメカジイチゴ)


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庭桜(ニワザクラ)2


庭桜(ニワザクラ)はバラ科サクラ属の落葉低木である。
原産地は中国である。
日本では室町時代にすでに栽培されていたという記録がある。
庭や公園になどに植えられている。
庭梅(ニワウメ=Prunus japonica)の近縁種で、一般には八重咲きの品種が植えられている。
樹高は100~150センチくらいである。
葉は長い楕円形ないし披針形で、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~5月である。
花の色は、淡い紅色か白である。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus glandulosa


★小振りでも花はぎっしり庭桜
 梢を染めるピンク交じりに


庭桜(ニワザクラ)

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里桜「太白」(サトザクラ「タイハク」)2


太白(タイハク)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
漢字では「大白」とも書く。
分類上は里桜(サトザクラ)の1つとされている。
里桜(サトザクラ)は主に大島桜(オオシマザクラ)を母種とする園芸品種の総称である。
平安時代から人為的な交配や野生のものから選抜育種などが行われ、200以上の種類がある。
樹高は5~10メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の両面や葉の柄には毛はなく、葉の縁には芒形(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)の重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は4月中旬である。
葉の展開と同時に花を咲かせる。
花径は5センチを超える大輪で、花の色は白である。
花びらの外側には濃い紅色が残る。
一重咲きで、花弁数は5枚である。
花びらの形は円形で重なり合う。
一総につく花の数は2~3輪である。
花の香りはわずかにある。
結実性は少しある。
日本では絶滅したがイギリスで保存されていて、昭和初期に甦ったそうである。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus lannesiana cv. Taihaku


★一重でも花は大きく真っ白に
 咲いた姿は天下一品


里桜「太白」(サトザクラ「タイハク」)

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衣通姫 (ソトオリヒメ)2


衣通姫 (ソトオリヒメ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
国立遺伝学研究所の竹中要博士によって染井吉野(ソメイヨシノ)の起源を実証する過程で作出され、大島公園に植えられた。
染井吉野(ソメイヨシノ)は、大島桜(オオシマザクラ)と江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)の自然交配によって生まれたと考えられている。
その実験の過程で誕生したのがこの桜である。
染井吉野(ソメイヨシノ)に比べると花は大輪で花びらは丸くて重なり、萼筒が短く毛が少ないなど、大島桜(オオシマザクラ)に近い性質を持ち合わせている。
樹高は5~15メートルくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にい重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
葉の柄に毛は生えない。
開花時期は4月上旬~中旬である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花は花径3~5センチの大輪で、一重咲きである。
花びらの形は円形である。
花の色は淡い紅色を帯びるが白みが強い。
一総につく花の数は3~4輪である。
花にはかすかに香りがある。
結実性がある。
なお「衣通姫」とは記紀に絶世の美女と伝承される人物で、その美しさが衣を透けて見えるようであったという。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus × yedoensis cv. Sotorihime

★ふくよかな花の形のそのままに
 君に伝えん春の知らせを


衣通姫 (ソトオリヒメ)

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牡丹桜(ボタンザクラ)2


牡丹桜(ボタンザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
八重咲きの桜の代表格であるが、実際に栽培されているものは少ないという。
分類上は里桜(サトザクラ)の1つとされている。
里桜(サトザクラ)は主に大島桜(オオシマザクラ)を母種とする園芸品種の総称である。
平安時代から人為的な交配や野生のものから選抜育種などが行われ、200以上の種類がある。
樹高は5~10メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の両面や葉の柄には毛はなく、葉の縁には芒形(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)の重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は4月下旬である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花径は3~5センチの大輪で、花の色は淡い紅色である。
八重咲きで、花弁数は11~15枚くらいである。
花びらの形は円形である。
花はやや下向きに咲く。
一総につく花の数は3~5輪である。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus lannesiana cv. Moutan


★八重に咲く桜といえば数あれど
 牡丹桜の名は高くして


牡丹桜(ボタンザクラ)


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