八手(ヤツデ)2

八手(ヤツデ)はウコギ科ヤツデ属の常緑低木である。
日本原産で、東北地方南部以南の本州から南西諸島にかけて分布し、海岸沿いなどの温暖な場所に生える。
また、庭木としても利用される。
名の由来は、深く切れ込んだ葉の形に由来する。
天狗の葉団扇(テングノハウチワ)の別名もある。
樹高は1~5メートルくらいになる。
開花時期は11~12月である。
白い球状に集まった花をつける。
1つの花が、日が経つにつれて雄花から雌花へと変化する。
結実期は3~5月で、熟すと黒い実になる。
写真は11月につくば植物園で撮った。
俳句では「八手の花」が冬の季語である。
学名:Fatsia japonica


★遠目に姿鮮やか咲き誇る
 八手の花は秘密を秘めて


八手(ヤツデ)

三波川冬桜(サンバガワフユザクラ)


三波川冬桜(サンバガワフユザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
豆桜(マメザクラ Prunus incisa)と大島桜(オオシマザクラ Prunus speciosa)の種間交雑種と考えられている。
群馬県鬼石町三波川の桜山公園に植栽されたことが名の由来で、ここに植えられているものは国の天然記念物に指定されている。
別名を小葉桜(コバザクラ)ともいう。
春の桜のように一斉には咲かず、冬と春の年2回開花する。
寒い北風に吹かれると蕾は開かずに冬を越し、春に暖かくなってから花がまた咲くのだそうである。
なお、冬桜(フユザクラ)と同様に二度咲きする十月桜(ジュウガツザクラ)という品種があるが、これは小彼岸桜(コヒガンザクラ)の系統で別のものである。
写真は11月と1月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Prunus × parvifolia cv. parvifolia


★小止みなく降り積む雪で薄化粧
 冬の桜は目を楽しませ


三波川冬桜(サンバガワフユザクラ)2

唐茶(トウチャ)


唐茶(トウチャ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木である。
原産地は中国の雲南地方である。
唐茶(トウチャ)は茶(チャ)よりも葉の長さが長い。
苦味があるので緑茶には適さない。
開花時期は10~12月である。
写真は10月に牧野記念庭園で撮った。
学名:Thea sinensis var. macrophylla


★陽射し浴び大葉の脇にちょっこりと
 唐茶の花は満面の笑み


唐茶(トウチャ)

野路菊(ノジギク)2


野路菊(ノジギク)はキク科キク属の多年草である。
兵庫県以西の本州と四国、九州に分布し、海に近い山野に生える。
栽培種の小菊(コギク)の原種の1つである。
草丈は50~90センチくらいである。
葉は幅広い卵形で、5つに中裂する。
葉は厚く、裏面には毛が密生して灰白色になる。
開花時期は10~12月である。
舌状花の白い花(頭花)を咲かせる。
写真は12月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Chrysanthemum japonense


★瀬戸内を眺めるように咲くという
 野路菊の花可憐に白く


野路菊(ノジギク)

サルビア・ファリナセア‘ビクトリアホワイト’2


サルビア・ファリナセアはシソ科サルビア属の多年草である。
冬越しがむずかしいので、園芸上は春播きの一年草として扱われる。
一般には英名のブルーサルビア(Blue salvia)の名で親しまれている。
原産地は北アメリカである。
草丈は30~50センチくらいである。
開花時期は6~11月である。
良く枝を分けて、細い花穂をたくさんつける。
このビクトリアホワイトは、そのサルビア・ファリナセアの園芸品種である。
これではもうブルーサルビアとは呼べない。
写真は10月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Salvia farinacea cv. Victoria White


★真っ白な花爽やかに咲き出した
 これもサルビアあれもサルビア


サルビア・ファリナセア‘ビクトリアホワイト’

ステビア2


ステビアはキク科ステビア属の多年草である。
原産地は南米のパラグアイである。
16世紀ころから甘味料として使用されてきたという。
日本へは1971年に南米から導入され、甘味料として栽培されている。
草丈は50~100センチくらいである。
葉はやや先の尖った楕円形で向かい合って生える(対生)。
開花時期は9~11月である。
小さく白い花が群がって咲く。
低カロリー食品で、糖尿病患者用の食品の甘味料として広く利用されている。
写真は9月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Stevia rebaudiana


★虫たちを群がるように寄せ集め
 ステビアの花賑わい咲いて


ステビア

茶(チャ)2


茶(チャ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木である。
単に「茶」と呼んだり「茶の木」と呼んだりする。
原産地は中国の南部とする説が有力である。
日本へは最澄が805年に種子を持ち帰り、比叡山に植えたのが最初という。
若葉を摘んで緑茶や紅茶を作るために、アジア一帯で広く栽植されている。
日本では、暖地では野生化しており、九州には自生するものもある。
日本や中国で栽培されているものは低木だが、インドやスリランカで栽培されているものは高木なのだそうである。
日本のものでも刈り込まなければ5~6メートルに達するらしい。
よく枝分かれをし、細長い卵形で光沢のある濃緑色の葉を互い違いに生やす(互生)。
開花時期は10~12月である。
葉の脇に白い5弁花を少数やや下向きにつける。
花には黄色い雄しべがたくさんある。
俳句では「茶の花」が冬の季語である。
写真は11月に練馬区の牧野記念庭園で撮った。
学名:Thea sinensis


★陽が差すと眩しいからと言い訳し
 俯きながら君何思う


茶(チャ)

河原野菊(カワラノギク)2


河原野菊(カワラノギク)はキク科シオン属の多年草である。
関東地方の栃木県、東京都、神奈川県に分布する。
多摩川、相模川など限られた一部の河川にのみ生息する。
砂礫質の河原を好むが、河川改修の影響で激減しているという。
環境省のレッドデータブックでは、「ⅠA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている
草丈は30~80センチくらいである。
茎につく葉は線形で、長さ6~7センチである。
根際から生える葉は、開花時には枯れる。
開花時期は10~11月である。
花径3~4センチの頭花で、舌状花は淡い紫色を帯びる。
写真は11月上旬につくば植物園で撮った。
学名:Aster kantoensis


★じっくりと守り育てる人がいて
 河原野菊は命をつなぎ


河原野菊(カワラノギク)

竜脳菊(リュウノウギク)2


竜脳菊(リュウノウギク)はキク科キク属の多年草である。
福島県・新潟県以西の本州から九州にかけて分布し、低山の日当たりのよい草地に生える。
名の由来は、全体の香りが「竜脳」に似ているところからきている。
竜脳というのは、フタバガキ科の竜脳樹(リュウノウジュ)の樹脂から産する香料のことである。
草丈は30~90センチくらいになる。
葉は互い違いに生える(互生)。
卵形ないし広めの卵形をしていて3つに裂ける。
葉の縁に大きなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面には毛が密生し、灰白色を帯びる。
開花時期は10~11月である。
白くて中心部が黄色い花(頭花)をつける。
写真は10月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Chrysanthemum makinoi(=Dendranthema japonicum)


★ボルネオの香りこれかと近づけば
 竜脳菊は地を這うように


竜脳菊(リュウノウギク)

一位(イチイ)2


一位(イチイ)はイチイ科イチイ属の常緑高木である。
日本全土の山に分布するが、特に北海道や東北では群生地が見られる。
また、庭木や生け垣として利用される。
高さは15~25メートルにも達する。
アイヌ語ではオンコという。
また、短歌や俳句では「あららぎ」と呼ばれる。
葉は針状の線形で、羽状(鳥の羽のように左右に小葉が並ぶ)に密生する。
開花時期は3~4月である。
雌雄異株で、黄褐色の花をつける。
雌花は9~10月に色づいて、厚みのある赤い仮種皮が種子を覆う。
仮種皮は赤い多肉質で甘い。
実は食べられるが種子は有毒である。
葉を乾燥したものを生薬で一位葉(いちいよう)といい、利尿、通径薬などに用いる。
木目がまっすぐ通り緻密で光沢があるので、材は彫刻材、床柱、細工物などに用いられる。
また、世界各地で弓の材料として用いられていたようである。
俳句では「一位」が夏の季語、「一位の実」が秋の季語である。
写真は10月に千葉県野田市の清水公園花ファンタジアで撮った。
学名:Taxus cuspidata


★オンコの実つまんで食べた幼き日
 記憶の底よりふと甦り


一位(イチイ)