心が晴れる「はれ、ことば」


          重いものを           
          ほがらかに
          軽いものを
          ていねいに
          運ばなくては



      人が一生で
      運べるものは
      ひとり ひとり
      ちょうどの量が
      決められているとして


      重いものを ほがらかに
      軽いものに 心をこめて
      運べる人で 
      あれたらいい と思う


      いま、手の中にあるもの
      その重みを
      適当にあしらったり
      負担に思ったりせずに



  Photo: Naomi Okunaka

心が晴れる「はれ、ことば」-夏空のまえに


        過ぎてゆく季節が
        ふいに
        ふりかえったとき
        空はいっそう蒼くなる


        わずかの名残りと
        あふれる期待を
        ぐるりとかき混ぜて


        あたらしい季節を
        むかえ入れる一瞬
        空はいっそう蒼くなる


        ──ようこそ


         夏が

         空から降りてきた


心が晴れる「はれ、ことば」


         空に
         預けておく
         時が満ちたころ
         ふいに
         舞い降りるよう



夢はいつも手の中にあるといいけれど
欲はすこし離れたところに置くのがいい


強い気持ちでいっぱいになってしまうと
心は ただしく動かない
欲はときに人を強引にさせてしまうから


──それが正しいものなら
──ひたむきに日々を重ねていれば
いつか何か 叶うときがやってくる


諦めなかった人へのご褒美みたいに
ふいに、空から落ちてくるみたいに



心が晴れる「はれ、ことば」


        だれもが みんな
        じぶんのなかに
        まるを ひとつ
        もっている


        さんかく
        しかく
        ながしかく


        まるは ときおり
        ちがうかたちに
        なろうとするが


        さいごはやっぱり
        まるになる


        まる はずむ
        まる ころがる
        まる くっつく
        まる ひかる


        まるは
        まるであることが
        すてきなこと 
        と しっている




心が晴れる「はれ、ことば」


          心地よさ の          
          基準で
          削ってゆけば
          想い
          かるくなって



心がもやもやするのは
たいてい 「想い」が多すぎるから


一度に たくさんのことはできない
一度に たくさんの夢は叶わない


だから シンプルに考える


──今、できること
──今でなくてもいいこと
──心地いいと思えるほう


決めかねているときほど 削ることが大事
人生は 欲張らないほうがずっと楽に生きられる



Photo: Naomi Okunaka