スペイキャスト | HARDYを楽しむ方法

HARDYを楽しむ方法

HARDYを「人生」と置き換えてみる。

 若い頃からダブルハンド(ツーハンド)に興味津々で、師匠にシングルハンドを習ってる時から、心は半分、ツーハンドのオーバーヘッドキャストに向いていた。その頃、俄かに「スペイキャスト」なるものの存在が囁かれ、あれは確か新宿のサンスイだったと思うが、野寺宣男著「スペイキャスティング入門」との出会いがあった。(当時の私の職場が西新宿で、毎日サンスイに入り浸っていた汗)

まだまだスペイキャストが知られていない時代で、半信半疑で、CNDのロッドを勧められ、そのまま利根川河川敷で野寺さんのキャスティングスクールに行くことになった。スクールに行く前に多摩川で練習したが、本の通りには振れるはずもなく、当時、ダイワのビデオなども買って、自己流で始めたのである。利根川でのスクール当日、私はジョイントにビニールテープを巻くことも知らず、ただ力任せに振り回していたのだが、10人ほどいた他の生徒を順番で野寺さんが指導してくれて、「ああ、これがスペイキャストなのか!」と感動したことを今でも覚えている。野寺さんが後ろに立って、私の右腕を持ってくださり、大きく振るのではなく、小さく胸の前で、グンっと力を込めるだけで、驚くほど綺麗なループが飛んで行った。そうして、私はスペイキャストの虜になって行った。

この本も、穴が開く程読んだ。読んでは多摩川に行って試し、案の定、上手く行くはずもなく、また落胆して帰宅し、また試しての繰り返し。利根川での野寺さんに習った時のループは再現できなかった。それでも、まだ周囲のアングラーも私と似たり寄ったりで、黎明期の懐かしい思い出である。そんな中級者だった頃に、背伸びして購入したのが「HARDY SALMON TRAVEL 15f #10」だった。(現在でも、万能ロッドとして私の一番のお気に入り)

もぅ、この頃にはすっかりハーディーに狂っていて、ハーディー以外の道具を受け付けない頃だった。何が何でもハーディー。

リールも当然ハーディー。SALMON SPECIAL#10。もう、とにかく嬉しくて、魚なんてどうでもよくて、「投げる」楽しみを知ってしまったのもこの時期である。この頃、20mのヘッドを使って、25mくらいは安定して投げていたから、本流で釣りができるレベルにはなっていたと思う。勿論、実釣となれば、キャス錬とは全く異なり、ライン捌きや、フライの流し方、状況に応じたキャスティング技術が求められ、そう簡単なものではないことはわかっていた。よく、キャスティング技術もそこそこに釣りに出かける人がいるが、シングルハンドでは何とかなるものの、ツーハンドに関して言えば、ほとんど釣りにならない。魚は意外に近くにいることはわかるが、釣りを楽しむという意味では、キャスティング技術の向上と比例する。20m投げることができれば、10m先の魚を釣ることはできるかもしれないが、20m先の魚には手も足も出ない。手前の魚を釣るにしても、20m投げることができる人とそうではない人とでは、キャスティング以外の余裕が全く異なってくるのだ。その頃から、私は、距離は技術に比例すると思うようになった。そして、自己流に限界を感じ、ある人に教えを乞う決心をすることになる。(次回、ダブルハンドあれこれ2に続く)