The Deluxe (ドゥルックス) | HARDYを楽しむ方法

HARDYを楽しむ方法

HARDYを「人生」と置き換えてみる。

Deluxe (ドゥルックス)が良いロッドだということは、知っていた。Mさんから、W、F、HARDY を譲っていただく際に、戦前のDeluxe と振り比べてみては? とご厚意で貸していただいたことがあった。一度、忍野で使ってみて、これが戦前のパラコナかと、その細くしなやかなことに驚いたが、私はその時、一度に2本購入する余裕がなく、後ろ髪を引かれる思いで、クラブの例会の時にお返ししたのを覚えている。後日、やはり思い直して、Mさんに連絡した時には、そのDeluxe は、他の方に譲られた後だった。

私は、いつかDeluxe を手に入れたいと思っていた。それは、日光に時々出かけるようになって、またクラブの先輩方の話の中で、日光とDeluxe との縁に憧れを抱いたからである。東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部のハンス・ハンター氏や、「釣魚迷」の西園寺公一氏が使用したパラコナがDeluxe であると知ったこともあるが、やはり、以前一度だけお借りしたDeluxe のしなやかなアクションが忘れられなかった。

Deluxe が愛される理由があるはず。そんな時、今となっては入手経路を思い出せないが、とにかく戦前のDeluxe を入手することに成功した。

私のDeluxe は9f6in B6391の1916年製。

とても状態が良い。近年稀に見る当たり個体。

夏場は少しベタつくけど、手に付く程じゃない。

全て完璧に残っている100年以上前のパラコナ。振ってみて感じたのは、9f6in ではあるけれど、細くて、しなやかで、重くない。ラインは#5がちょうど良い。私は他にもAナンバーのhoughton や、JJHなど、9f6in を幾つか所有しているが、ダントツでこのDeluxe は細い。

上がBナンバーのDeluxe のティップ。下がAナンバーのhoughton のティップ。

細さが際立っているのが一目瞭然。元々、Deluxe はライトモデルと言われるが、その中でも、より繊細で、それでいて、パラコナとしての質実剛健を失っていない。恐らく、8fであれば、日本の小渓流にもマッチする。9f6inであれば、忍野や湯川で使ってみたくなる。え? お気に入りのロッドは2本欲しいんでしょう? そうなんです。例に漏れず、Deluxe も2本持っていましたが、1本は友人に譲りました。それも凄く良いロッドで、お金に余裕があれば買い戻したいくらいです。他に、Deluxe にはダブルビルドという珍しいモデルも存在しますが、一度何処かで振らせていただいた記憶では、固くて重いという印象。これはあくまで印象なので私の勘違いかもしれません。ダブルビルドは1930年代だから、単純に私のBナンバーとは比較できないんですよね。Aナンバーより細い、私のBナンバーのDeluxe 。私がどうしても手放せなかったロッドの一つです。

 

それでは、また。