欧州CL決勝 バイエルン・ミュンヘンVSインテル・ミラノ | もう一つのAnother Story~みやうち official blog~

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社会人1年目、みやうちのブログです。ネタはミスチル、グランパス、ドラゴンズ、映画、書籍など趣味がもろに出ております…

はろー。

さっき起きましたですはい。

チャンピオンズリーグを観て、朝マックに行って、多分寝たのが9時30分くらいかな。


明日からしっかりと立て直します。


とりあえず勝敗とスコアは予想どおりでした。ただまさかミリートが2点取るのはちょっと予想外だった。


エトーは2年連続のビックイヤーだけど、今朝のゲームに関しては黒子役に徹してたね。というよりも向こうも警戒してたからあまりボールがインテルの右サイドに回らなかったんだけど。

ゲームに関しては完全にモウリーニョのプラン通りだったでしょう。

自分としては、両チームの10番がワールドカップで対戦するチームの選手だったこともあり(この時点で日本は大分厳しいチームが相手というのがわかる)、日本代表に活かすことができる点はあるかという観点で、

あとはブログでも言ったように、開始15分の両チームの采配に注目してました。


開始15分間は、バイエルンはハーフラインより相手自陣5メートルくらいからプレスをかけ、攻の姿勢から入ったのに対して、インテルは守備のスタートラインを自陣20メートルくらいに設定してラインを深くしてボールをサイドに追いやり、

ロッベンに渡った瞬間に切り替えのスイッチをオンにして、ロッベンの裏を突きながらの、トップ下のオランダ代表ウェズレイ・スナイデルを中心とした見事なカウンターを披露。あの11人全員の共通理解による攻守の切り替えの速さには脱帽。日本はああいうサッカーをしてほしい。ただFWを中心に追いかけ回しても、逆にスペースを与えて、こっちが疲れちゃって大事な時間帯にいいボールが来ても100%のシュートが打てないだけ。


フランク・リベリーがサスペンションだったため、バイエルンの攻撃の起点が右サイドのアリエン・ロッベンのみになって、当然インテルもそれを予測し、左サイドバックにはルーマニア代表のキブがほぼマンマークで、

キブが抜かれても元アルゼンチン代表カンビアッソが待ち構えて、マケドニア代表パンデフも守備に戻っていたので、常に数的不利だった。

たぶん映像を観たらわかると思うけど、前半はドイツ代表ラームもカウンターを気にしてバランスを取っていたためにオーバーラップも少なかったので、常に1VS2、1VS3の局面になってた。

あれはさすがのロッベンでも無理。日本も参考にすべき。例えばボランチは遠藤ではなく今野にするとか、サイドバックは基本的にマンツーでみるとか、ああいう柔軟性が絶対に必要になってくる。


モウリーニョ的には先制ゴールはおまけ程度だったのではないかな。たぶんあの展開で前半はスコアレスで折り返して、っていうプランだったと思う。

GKのブラジル代表ジュリオ・セザールの超ピンポイントフィードをミリートがダイレクトでスナイデルに落とし、裏へのスルーパスにミリートが抜け出す。

シュート前の軽いフェイントも見事だった。

DF陣に特にミスはなかったし、とにかくあの3人だけでとった先制点は見事というしかなかったね。


インテルとしてはこの先制点のおかげで、このままの状態を続けながら、ロッベンの裏を突いて2点目を取って、ゲームを締めるっていう得意の、十八番の方向に持っていけば良くなった。

バイエルンは、完璧なブロックの中にも、高い位置で奪うことで生まれるちょっとの隙をうまくトルコ代表のアルティントップが突きながら、2トップと絡んでいくことでチャンスが作れることはわかったので、そこを徹底してくるのかなという予想をしました。

後半に入り、もちろんファン・ハール監督はよりプレスの開始位置を高く設定してきた。

後半最初の決定的チャンスも、ブロックのほころびをアルティントップが突き、クロアチア代表オリッチとのダイレクトプレーから最後はドイツ代表ミュラーが決定的な場面でシュートを放つけど、セザールに止められる。


あれ、ちょっとだけでも浮かしたら入ってた。あれがミリートとの経験値の違いだね。まだ彼は20歳。後半に見せた左サイドでのドリブルも非凡だったし、将来必ずドイツを背負う選手になる。


後半の入り方があまりにも最高だったので、アルティントップがあのようにブロックの隙に顔を出しながら2トップと絡むことでマークを左サイドに注目させて、ロッベンの負担を軽くしていき、ラームもリスクをある程度冒しつつもオーバーラップの回数を増やせば、結構すぐに追いつけるのではないかと思った。

ただ逆に、後半開始15分バイエルンのいい時間帯に追いつけないと、インテルの流れになる危険性は大いにあった。


そしてそれが現実のものとなったね。2点目のゴールもパンデフがロッベンの裏を突いたカウンターから。

ミリートの個人技も見事だったけど、数的に同数だったし、まぁ完全にインテルの狙いが出た2点目のシーンだった。


あとは前半イエローをもらってるキブを下げて、元アルゼンチン代表のサネッティを左サイドバックに回して、いつもはレギュラーの、セルビア代表スタンコビッチを投入し、しっかりと逃げ切る。

バイエルンは、終始可能性を感じさせたアルティントップを下げてドイツ代表のクローゼと、ドイツ代表マリオ・ゴメスを投入して、ロッベンとミュラーからのクロスに合わせるほぼパワープレー的な攻撃に走ったが、

それもインテルの想定内だったんでしょう。深い位置でクロスを上げさせないように、クロスの供給減に対するプレスを今までより強くしてきた。

エトーとパンデフは基本的にそこでも守備に回ることで、攻撃面ではあまり貢献はなかったものの、チームとして素晴らしいピースになってた。これは目立たないところなんだけどね。だいたい日本人の視聴者はエトーにはゴールや爆発的なドリブルを期待するもの。

4-3-3のウインガーというよりも、一列下げた4-2-3-1のサイドハーフだったことからも、モウリーニョのプランがうかがえる。

日本人として知っておかなければならないのは、カメルーン代表チームでも、エトーはあの位置だということ。そしてこれはバルサ時代からだけど、決してワンマンではなく、守備も厭わない、戦術理解に優れた選手であるということ。

彼の守備における貢献度、献身性が全くメディアで取り上げられないのは少々問題。


おそらく相手がインテルではなく日本なので、確実に内田あるいは長友の裏を突いてくるし、前線からの守備も、今朝のゲームよりは数メートル高い状態でプレスをかけてくる。

日本も4-2-3-1が予想されるので、サイドハーフの選手も前半は守備に追われるでしょう。そこで疲れてしまわないためにも、インテルの戦い方を参考にしてほしい。

ブロックを下げて、守備のスタートラインを遅らせるけど、11人が連動してプレスをかければ、1人あたりが走る距離も減るし、カウンターもしかけやすい。

効果的に戦うことが大事。逆に言えばエトーの裏を突けるよってことだからね。



とりあえずこのゲームを総括した上での感想は4点。

1.まずバイエルンはバカ正直に行きすぎた。明らかに向こうはロッベンにボールを「わざと入れさせる守備」をして、そこを攻守の切り替えのスイッチにしていた。ロッベンがゴールに背中を向けた状態でボールを持たざるを得ない守備をしてきた。それにまんまと乗せられた。というよりも自分たちで選んだ感すらある。

それだけのチームからの信頼があるんだろうけど、インテルとしては守りやすかったに違いないだろうね。

2.そしてもう一つバイエルン。これは結果論になるけど、あきらかにリベリーの穴は大きかった。

アルティントップは自分も大好きな選手だし、相手の「裏」を突くのが上手な頭のいい選手だけど、残念ながらきてんにはなれない。

昨日のゲーム、一番欲しかったのはロッベン以外のもう一つの起点。いつもはそれが逆サイドのリベリーによって生まれるんだけど。

だからチームとして攻撃の起点がロッベンしかなかったのは、90分通して痛かった。

もしリベリーがいたら、ボランチ2枚が1人ずつサイドにつくから中央が空き、そこをドイツ代表シュバインツタイガーやオランダ代表ファン・ボメルが突いていけて、カウンターアタックの起点となるスナイデルを守備に追わせることも可能だったかもしれない。

これはたらればで結果論だからあまり言うべき感想ではないけれど。万全の状態でのバイエルンを観たかったのは事実。


3.インテルに関して。とりあえずモウリーニョには脱帽。どこに脱帽かと言ったら、イタリア人がスタメンに1人もいなくて、自分もイタリア人ではないのにも関わらず、セリエA(イタリア・カルチョ)の美学を、高い次元で90分いかんなく発揮し続けた。チェルシー、バルサを倒しての優勝は素晴らしいの一言。各選手のポジショニングのバランスが美し過ぎた。あれこそ日本が目指す4-2-3-1の完成形。

バイエルンが相手の意図にまんまと自分からはまりにいったと言ったけど、必然として自分たちのゲームプランに誘い、はまらせる難しさは計り知れない。しかもイタリア人がいない状態でここまでのゲーム、チームを作ってきた、しかも短期間で。

やはり天才だし、一流のスター選手たちを納得して、遂行させるカリスマ性もそれだけあるんでしょう。よりモウリーニョを好きになりました。

4.これは両チームだけど、やはり戦術理解力が高いというかフットボールインテリジェンスが高い。11人全員がしっかり同じ絵を描きながら、監督の戦術を完璧に遂行できるのは素晴らしい。

そして数的不利や、間合いの詰めが速いといった厳しい局面を、あたかも簡単にすり抜ける1つのトラップ、1つのダイレクトパス、「止めて、蹴る」そういう基本的で細かい技術も11人全員が確かである。


たぶん中にはおもしろくなかったと思う人も多くいると思う。そりゃバルサのフットボールの方がおもしろいに決まってる。

でもバルサがfunだとしたら、昨日のゲームはinteresting。

攻撃的チームVS守備的チームとか、ポゼッションVSカウンターというくくりで語るのはあまりにも無意味すぎる、素晴らしいゲームだった。

日本としては、ワールドカップというよりも、今後、特に4に挙げたことを意識したフットボールをしてほしいと思う。


長くなりましたが、これは1年前に同じブログでも言いましたが、

昨日のゲームをただ世界最高の決勝として楽しむことに加えて、
自分たちに活かす点はないか、何が優れているのかをしっかり根拠を基に見極めていく作業を怠ると、現代フットボールのスピードについてこれなくなる。

そういう視点も、サッカー選手、経験者、未経験者問わず持って観戦することが大切だと再確認しました。

ちなみに俺はサッカー部の友達3人と観ました。

明日の日本代表戦は、選手のスキルとか、勝ったか負けたかではなくて、戦術的インテリジェンスと共通理解(チームとしてのいろんな約束事が垣間見えるか、それを遂行できているか)、そういったところを、今朝のゲームと比較してみていきたいと思います。