父:支配
母:憎悪
両親共通:無関心
でした
単なる無関心であってくれればどんなによかったかと思うのですが
ベースに無関心があり
その上に
支配欲や憎悪があるのですから
こちらとしては
本当に大変です
大人になって弟と話した時
ワタクシたち姉弟は
「家にいてほっとしたことなど一秒たりともない」
という点で意見の一致をみました
いつ何時
厄災が振りかかってくるかもしれぬ
という
緊張と隣り合わせの毎日
それがワタクシたちの当たり前の日常でした
ところで
ワタクシの通った学校にはダンス部というものがありました
学園祭で披露されるダンス部の演目は
体育館に立ち見が出るほどの人気です
まさに学園祭の華!
演目の内容は年ごとに変わっていましたが
最後の締めは毎年同じ
部員全員が舞台に上がって
シンディローパーの
Girls just wanna have fun
に合わせてダンスを踊るのです
圧巻でした
この学校には
中高合わせて6学年
その1学年に少なくとも一人
ひと目で摂食障害とわかる生徒がおり
クラスに数名は
親に放置されている生徒がおり
時には目の周りに青あざを作って(それを眼帯で隠して)登校してくる生徒がおり
しかしお金に困っている家庭は一つもなく
むしろ裕福であるのが普通でしたが
なぜか
家庭環境に悩む生徒は多かったと思います
学園祭の最終日
そのフィナーレを飾る
ダンス部の演目
そこに響き渡る音楽は
Girls just wanna have fun
シンディローパーは奇をてらった
衣装とメイクで
体をブンブン揺らし
オレンジに染め上げた髪を振り乱して
歌います
日本語にすると歌詞はこんなです
夜おそくに電話がなると
パパが怒鳴なるの
「将来どうするつもりなんだ」って
ママが言うの
「いつになったら真面目になるの」って
パパとママの言葉をうけて
歌の中の女の子は
こう返します
女の子だって楽しみたいのよ
ただ楽しみたいの
アホですか!
※個人的感想です(;^ω^)
この歌詞の世界には
親の理不尽に対する
子供の回答はありません
派手な衣装やメイクが
逆に
女の子の無力感や諦めを際立たせている
ようにも感じます
親の抑圧に対して
子供は
反抗することもできず
具体的な解決策を持つこともできず
「女の子だって楽しみたいのよ」
と歌うしかない
それがこの時代の子どもたちの立ち位置だったんだと思います
バブルというあのきらびやかな時代
大人たちは一体なにに苛立っていたのでしょうか
体育館いっぱいに
大音量で流れる
Girls just wanna have fun
それに合わせて女生徒たちが踊る
華やかなダンス
酔いしれる観衆
虐待、暴力、精神疾患
つらい現実を抱え込んで
なにごともなかったように毎日を生きようとするとき
だって女の子だって楽しみたいのよ
この
アホみたいな歌詞に
すべてをあずけしまうことが
ある意味
ワタクシたちには
一つの救いになっていたのかもしれないと
大人になった今は
そんなふうにも思えるのでした
おわり
参考