30の春は過ぎやすし
靖国神社の近くに九段坂病院というのがあって、先週から友人が入院していたので今週火曜日の晩に他の友人何人かとお見舞いに行った。病院を辞してから靖国神社でお花見をした。そこを訪れたのは二回目でも、神社境内の夜店の出ているところで花見というのは初めての体験だったのだけれど、折から満開の花の下で大勢の人たちが楽しそうに飲んで食べてを見るのはなかなかいいものだった。
仲間で一緒に花見をしたのが南アフリカ繋がりの人たちなのだが、とくに南アのことは話題にしなかった。
日本のメディアは伝えていないけれど、イースター休暇中の先週土曜日に、南アフリカの白人農場主で、常々白人至上主義を公言して憚らなかった人物がの農園自宅で、二人に黒人若者に殺害された。
犯人二人は逮捕されすぐ起訴されたが、地元の警察署・裁判所周辺に白人・黒人それぞれの支持者が集まり対峙し、警察が急遽有刺鉄線の柵を二つのグループの間に設置して両者を引き離すということをしていて、その後、白人はアパルトヘイト時代の国家を歌い、黒人グループは法律で禁止されている「Kill the Boer!」という、かつてANC Youthの若者の間で歌われていた歌を歌って応酬するということがあったらしい。Boer(ボーア)というのはオランダ系白人つまりアフリカーナーのこと。そして緊張が一気に全土へ広がったというニュースで、大統領はじめ教会関係者なども落ち着くようにということを繰り返し呼びかけているようだ。
サッカーW杯まであと二ヶ月。W杯が終わるまではなんとかガマンするだろうが、その後はどうなるのだろう。
南アとは関係ないけれど、ちょうど30年前の桜の散る今頃、成田空港からパキスタン航空カラチ経由でナイロビへ向かった。
こちらも同世代の何人かで一緒に行き、その時以来の付き合いの彼らとも連絡を取り合っていて、明晩、30周年を記念して同窓会を開く予定。
遠い昔なのに、ついこの前のように思い出される。30の春は過ぎやすしというところか。
この週末はいろいろと行事があって多忙だ。
井戸掘りヘゲモニー
カンボジアのことで、ある人から聞いた話を思い出した。
ポルポト後のカンボジア復興支援で、自衛隊海外PKO活動デビューに続いて、現地の状況が落ち着いてくると民間のNPO/NGOなど多くの団体が復興支援活動に乗り出し、井戸掘り支援などを始めた頃の状況を観察していたその人は、そう言った民間団体のあいだで、情報交換をして協力をし合っているところもあったけれど、NPO団体のあいだでの覇権争いのような関係がみられ、一方が「元祖井戸掘りNPO」を主張すれば、別の団体が「本家井戸掘りNPO」と云う具合に日本人同士が現地で覇権争い(ヘゲモニー)を展開しているのは、見ているのはあまりいい気分ではなかったと言っていた。
同じような状況をケニアでよく目にしていたので、その状況はよく理解できる。
マーケッティング関連の本で、「売り方は類人猿が知っている」というのが日経プレミア新書にあって、消費者心理を神経科学・行動経済学・進化心理学という最新の研究に基づいて考察している本で、進化心理学という新しい学問領域があるのを知って興味深く思った。人類の進化に伴って脳がどのように進化してしてきたかを説明し、人間が集団生活(社会生活)をできるようになった心の進化過程について述べ、人間が生き残るために罪悪感・恥といった道徳感情と、他人と協力すると快感を感じる報酬系を発達させ、さらにミラーニューロンも進化させたという話が面白かった。
他人と協力すると快感を感じる報酬系と言うのは、集団でしか生き残れなかった人類が、進化の過程で、人助けをすると脳内の快楽物質ドーパミンが作られ快感を感じるようになったというのだ。
あぁそうなのか、ボランティアに参加するということは快感を得る行為なのかと、言われてみれば何となく納得する。
しかし、そのボランティアに関わるプロセスのなかで覇権を巡る競争が起きるのも人間のサガなのだろう。
NPOのヘゲモニーはまだかわいい方かも知れない。
世にある「フェアトレード」というのも、これまたいくつも組織があって、「元祖」「本家」「真正」、、、ということをやっている。有機認証機関しかり。困ったもんだ。
そうだチェンマイへ行こう
さすがにイースター休暇中だけあって、キリスト教の国の人たちからのメールはぱったりと止まった。
西洋が休暇ならアジアかと思い、集中的にタイの知り合いと連絡を取り合って、三年越しで仕込んでいるプロジェクトの話をプッシュしたら一気に動き出して、じゃぁ来週にでもタイへ行こうかということになったのだけれど、4月17日が2,553年目の仏教のお正月とかで政府機関も事務所を閉めるのでどうしようかということになって様子見の状態。
せっかく「そうだ、チェンマイへ行こう」という気のなったのに、、。
それと、このプロジェクトはもともと他のインドシナ半島のいくつかの国に跨った話だから、ミャンマー・ラオス・ベトナムにも関係者がいて、やっぱりこちらも正月気分。ミャンマーにいたっては4月10日から21日までぶっ続けで旗日ということらしい。それぞれの日程も都合も、そして腹づもりあったりしてなかなか歩調が合わない。
カンボジアにもプロジェクトに関わりたいという団体があったけれど、いまのところお付き合いはない。
世界を震撼させたポルポトの狂気のあとの復興支援には国際機関・各国政府機関・民間団体などがいろいろな活動を行った。自衛隊のPKOもこれが「筆おろし」だったと思う。今でも援助のお金が多く入って来るせいか、カンボジアというのはなんとなく回りの国と雰囲気が違うように感じられ、自立しつつある他のアジアの国で感じるギラギラとする活気ある喧騒が聞かれない気がする。当の本人のカンボジア人たちにもなんとなく元気がないという印象がある。
アフリカに、カンボジアの軌跡をなぞるような国があり、今晩のNHKスペシャルで放映されるようだ。中央アフリカのルワンダで、番組は題して「アフリカン・ドリーム "悲劇の国"が奇跡を起こす」。
16年前に内戦であっと言う間に80万人が虐殺され、国際社会はなぜそんなことが起きたのか、なぜ止められなかったのかという後悔と反省から復興支援が始まり、援助物資もカネもヒトも投入される。それが原因か、ルワンダは回りの国々より高い経済成長率をしめしているようだ。景気が良くなることは結構だけれど、同時に胡散臭いBOPビジネスだのが跋扈しているようだし、訳のわからない投資話などもあるようだ。援助のカネが潤沢に入っているうちはいいけれど、それが少なくなって行った時に本当に自立できるのかを見てみよう。