政権が国民党（National)から労働党（Labour)に移行し、次々と今後の政策が発表されています。
最低賃金の引き上げ、移民削減、外国人投資家による既存物件購入の禁止…。
労働党が政権を握ると、経済界では何が起こるのでしょう？
NZドル VS USドル
NZドル VS 日本円
ニュージーランドドルは、USドルに対しても、日本円に対しても、ここ一ヵ月、値を下げています。
特に、労働党が政権を握るであろう予想された辺りから怪しくなり、労働党に決定した直後、さらに下落。
NZドルが下落すると何が起こるのか？
身近なところでは、私達のようにNZ国内でNZドルで収入を得ている人達は、海外へ行く際今まで以上の出費を覚悟しなければなりませんし、輸入業者の痛手は大きく、また輸入品の値上がりは必然でしょう。
一方、悪い事ばかりではありません。
この状況で好景気を迎えるのは輸出業者。
外貨を持ち込む海外からの旅行者にとっても、喜ばしい事態になるかもしれません。
ニュージーランドに住み始めて早23年、これまで何度となく見て来たNZドルの変動、高い時は1ドルが90円を超えた事もありましたし、安い時は50円を切った事もあります。
（私がNZに来る更に前には、１NZドルが400円台だったこともあったそうです！）
NZでは、昔から魚介類は豊富に獲れるはずなのにそれ程安くない、寧ろ高い印象でしたが、これも良いモノは殆ど日本を中心とした海外に輸出されてしまう為だと聞いた事があります。
輸出量が増えれば、国内へ回って来る魚介類の量が減り、その分価格が高くなるわけです。
乳製品も豊富で自給率は高いはずなのに、値上がりが続いていますが、これも、輸出に力を入れている産業。
それから、オリーブオイル等も、国産のモノより、輸入品を買った方が安かったりと、何だか本末転倒です。
輸出品として人気のある商品は、輸出業が好景気になれば、海外に流れる量がさらに増え、国内に於いて値を上げて行ってしまう可能性が高いわけです。
一方、ドルが下がれば輸入品も必然的に値上がりします。
労働党は、向こう10年間で１０万戸のリーゾナブルな新築物件を建設すると豪語していますが、建築資材の多くは輸入品に頼っており、年々値上がりが叫ばれています。
また、元々安くはない労働者の最低賃金が上がれば、人件費はさらに底上げされることでしょう。
さらに、建設業界は人手不足、移民の労働力を期待する産業です。
ところが、移民は削減する…。
これで、どうやって安価な新築物件を建てるつもりなのでしょう？
それでなくても、この国で新築物件を建てるためには、各種申請料から始まって、水道を繋ぐだけでも、一軒あたり$20,000程度かかると聞いています。
つまり、ドルが下がり、物価が上がれば、不動産価格も簡単には下げられない。特に、人口の増え続ける物件不足のエリアでは、その現象が顕著です。
確かに、今までのブームは影を潜めた感がありますが、現実問題として家を売らなければならない人達がいて、買わなければならない人達がいるわけで、売買は常にどこかで行われています。
少なくとも、向こう１年間は多少の変動があるものの、せいぜいプラス・マイナス３%程度の安定期が続くのではないかというのが、ニュージーランド大手不動産会社３社（Harcourts、Barfoot & Thompsons、LJ Hooker）が２０１７年１１月４日現在Herald紙で発表した見解です。
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