たましいの故郷で眠る | スピリチュアルライフ ー 原水音のマザーアースカフェ

スピリチュアルライフ ー 原水音のマザーアースカフェ

アメリカ、屋久島を経て、熊野の自然のなかで暮らしています。四人の子どもを自宅出産、自然育児で。スピリチュアルでエコな体験をおしゃべりしちゃいます。




どこまでもまっすぐに、アメリカ大陸を走る



みなさん、おひさしぶりです。アメリカ生まれの息子と、二週間の旅をしてきまし


た!


サンフランシスコ空港にレンタカーで迎えに来てくれた長男の運転で、ベイブリッ


ジを渡る。


白い霧にすっぽりといだかれたサンフランシスコ。蒸し暑い日本とちがって、半


袖じゃあ肌寒いくらいの涼しさ。


ベイブリッジを渡ると、そこには懐かしいバークレーの街なみ。


丘の上に住む有子さんの美しい家で一泊させていただき、


翌日には、長男が生まれた「鹿の谷」を目指した。


サンフランシスコを北上し、湖の近くに住むアンの家へ。


アンは鹿の谷でわたしたちの暮らしを支えてくれた,山のビッグママ。


ビッグマウンテンママのアンと三人で山を再訪できることになった。


アンと一緒に山へ帰る。それは、今回の旅の目的にとって素晴らしいヘルプに


なった。






「息子のたましいのへその緒がアメリカの大地とながる」


自分が生まれた大地にテントを張って眠る。


そこは電気もガスも水道もない国立公園のなかの私有地。


今はだれも住んでいない。






つわりでお茶も飲めなくなったわたしを助けてくれた葉っぱ。針葉樹の葉はハーブティーにすると


レモンの味と香り。








わたしたちが腰をおろす林のなかの小さな広場で、


聞こえてくるのは


頭上の樹のこずえで、なわ張りを主張するリスの鳴き声と


眠気を誘う羽虫の音


夕暮れには、ねぐらへ帰る鳥たちの歌





夕日が山なみに落ちたら、


ただ闇に包まれていくだけ


日暮れとともに、三人それぞれの一人用テントで横になった



テントのフライをあげて、網目ごしに見えるのは圧倒的な数の星々



思わずテントから出ると、


そこには宇宙が広がっていた



どこかでフクローの声がする


静かに、ゆったりと、遠くのほうから


吹き渡ってくる風の音


人間の世界は、あまりにも遠い


大自然の母なる子宮につつまれて


あたたかくて、でも、あまりにも孤独で、


それでも抱かれている喜びと安らぎのなかで


たましいが震えて


気がつくとわたしは、声を殺して泣いていた




こんなにも人間の気配から離れた場所で生を受ける


この時代に、それは奇跡的なことだ


医師も助産婦もいない三日がかりの大難産


一度も産婦人科へ行かず、


この山でみごもり


この山で産んだ


この場所を選んで


わたしたちを選んで


生まれてきてくれた息子


あなたの魂が


この地球という星に


この静かな鹿の谷に


天下った夜を、わたしは忘れない


こんなに澄んだエネルギーの場所が


あなたの故郷なんて


ありがとうございます


感謝の言葉しか浮かんでこない


星の光が、涙ににじんでゆらめいていた