(以下の文章は、私個人の過去の回想記です。興味のない方はどうぞスルーしてください)
前に書いた記事の続きです。
(この記事は第2話です)
私は相対者から
「あなたの両親に早く僕を紹介してください」
と再三に渡る電話攻勢を受けていました。
その言葉から、
「僕を紹介できないのは、あなたに信仰がないからですか」
という意味を私は読み取りました。
「相対者の人柄と長所を知ってから、
両親の所へ行き、彼の写真を紹介しよう。
その方が説得力がある。
『メシアへの信仰で、この人と結婚します』とだけ言っても、
メシアへの信仰を持たない両親には、説得力に欠けるだろう。
昔の先輩方は合同結婚式に出るにあたって、
相対者を親に紹介してからなどということはできなかった。
しかし、今は『還故郷氏族復帰』と言われている時代。
祝福を受けた家庭を中心として、
氏族的メシヤとして血族を神の元に連れていかなければならない時代。
何の準備もなく、
ただ彼の写真を見せて両親を躓かせては
ますます氏族復帰が遠のく」
と考えていた私ですが、
彼の電話攻勢によって、しぶしぶ両親に写真を見せることにしました。
アベルには「相対者の写真を見せに行きます」とだけ報告し、
自分の思いを伝えてはいませんでした。
ある日の夕方、
相対者の写真を両親に見せました。
その時の両親の反応を記す前に、私と父の関係を簡単に説明させて頂きます。
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私と父は友達のような、気軽に何でも話のできる関係でした。
思春期になると父親を避けるようになる、
という女の子もいるようですが、
私は父に対して何の嫌悪感もありませんでした。
中学・高校の頃に「尊敬できる人物は?」
と聞かれたら「父」と答えるような子供でした。
それは、父が人格的に完璧な人間だったからではなく、
子供の意見も尊重してくれる人だったからだと思います。
尊重すると言っても、その意見に迎合するのではなく、
「そうか。でも、お父さんはこう考えるんやけど。
ステラはどう思う?」
という感じで語る人でした。
「『世の中の矛盾』や『貧富の差』などの原因がどんなところにあるのか」
「核兵器は持つべきなのか、持つべきでないのか」
「善なる戦争はあるのか」
などという私の疑問に対しても、
父は自分の考えを丁寧に語ってくれました。
でも、そこには問題が潜んでいました。
父は若い頃から日教組で活動しており、共産党支持者でもあったのです。
だから、私は左翼的思想に毒された高校生へと変貌していきました。
(ちょっと話が横に逸れていきそうなので、この話はいつかまた)
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相対者の写真を両親に見せた時のこと。
「文先生のご紹介で、この人と結婚することにしたんやけど…」
と言って、私はテーブルに写真を置きました。
まず父がその写真を手に取り、じっと見つめました。
暫く沈黙が続きました。
その後、写真の裏面に何か書いてあるのを見つけました。
更に沈黙が続きました。
「ステラは、この人と会ったことはないんやろ?」と父が言いました。
「うん、でも、電話で何度か話したよ。
ええ人やと思うよ」と私は言いました。
そして、また沈黙。。。
皆が下を向いていました。
ふと横を見ると母が写真を手に取っていました。
伏し目がちでそれを見ている母。
暫くすると母の目に光るものが ぽつんと1つ現れました。
それはやがて盛り上がり、
頬を伝って ぽとりと膝に落ちました。
沈黙を破り、急に父が言いました。
「こんな重要なこと、お爺ちゃんとお婆ちゃんにも聞いてもらわな」と。
当時、父の両親はすでに他界しており、父は一人っ子だったので、
「お爺ちゃん」と「お婆ちゃん」のいる母の実家が一番近しい親戚でした。
「お爺ちゃん」と「お婆ちゃん」は、初孫の私を一番可愛がってくれた人でした。
そして、母の実家も私の両親と同じように、「統一教会」に猛反対していました。
時はすでに夜の8時を超えていたと思います。
なので、私は
「また日を改めて、お爺ちゃんのとこに行こっ」と言いました。
でも父は、
「こんな大切なことを先延ばしにすることはできんで…、
これから行く」と言って聞かず、
母と私を車に乗せ、母の実家へと出発しました。
まずいことになったなぁ
倍増した反対者に囲まれることになる。。。
この危機は乗り越えられるのか?
不安が胸を過ぎりました。
車は明かり一つない山沿いの夜道を
更なる山奥へと向かって走りました。
◇◇◇ 続く ◇◇◇
参考記事
第1話 「ステラさん、相対者が決まりましたよ」
http://ameblo.jp/happystella/entry-11241030656.html
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最後までお読み頂き、感謝申し上げます。