脳腫瘍になって、治そう、治そうと躍起になっていた時。
自分の心がいつも不安になっていた。
治らなかったら「死」しかないから…。
いつも「治そう」と思うたびに、「死」を考える。
そして泣きそうになった。
色々調べて、試してみて、体調が少しでよくなって、
「あ、これで治ったかな？」
と、思って安堵する。
しかし、てんかん発作がくると、
地獄へ落とされたような気持になった。
そんなループに、ただただ苦しかった。
私の人生は、脳腫瘍が分かった日から常に「死」に追いかけられている気がしたから。
道行く人が羨ましかった。
殆どの病気や死のことなんて、考えずに生きている毎日。
毎朝目が覚めて、これから感じる悲しく苦しい感情に耐えなければいけない…と思うだけでため息をつく毎日。
しかし、ある日、当たり前のことに気づく。
「死」は誰にでも必ず100％訪れるもの。
病気がなくても、突然の不慮の事故に遭う事もある。
それで命をなくす人も沢山いる。
その人は、命をなくす直前まで、私のように「死」への不安もなかったはず。
私も、脳腫瘍が分かる前はなんの不安もなく生きていたから。
じゃあ、私も以前のように生きたらいい。
自分の脳腫瘍は「未来の不慮の事故」にでもして、今は道行く人のように、以前の自分のように何も心配せずに過ごそうと。
いくら考えても、自分の命の期限なんて誰にも分からない。
分からないのに、怯えて、不安になって、泣いて、生きたいと願っている自分の毎日を無駄にしたくない。
たったこの一つの発想の転換で、私が勝手に背負っていた「死」という悪魔から解放された。
それからは、ただただ自分の心に素直に生きてきた。
毎日を大切に生きてきた。
明日はないと言われても、
「今の精一杯を楽しんで生きたからいい！」
って、思える様になったから。
ネガティブなことを考えていることも勿体ない。
そしたら、人生でこんなことしたい！と思ったことが、どんどん叶ってくるようになった。
私は病気がなかったら、あのまま自分を否定し続ける人生だったと思う。
でも、病気のお掛けで本当に生きたい「自分」になれたと思う。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます！
ネガティブな事が起こった時、それを未来への飛躍のサインと捉えて過ごしていきましょうね。