私の友人のお兄さんは
二人兄妹の長男ですが
県外で就職して家を出たからと言って
財産を全て放棄し
妹に実家の土地と財産を譲ったのです
ちなみにその友人は嫁に行ったので
その家の苗字を継がず
旦那さんの苗字です
私はそれを聞いて
家庭の事情は様々ですが
もし兄の立場なら
なかなか決断できないかもな
立派だな〜と思っていました
そしてそれから数年後のこと
その兄妹の叔母さんが亡くなって
叔母さんには子供が居なかったので
その叔母さんの遺言で
なんと
その財産を全て
そのお兄さんに譲ると言うのです
友人が言うには
「叔母さんは資産家だったから
うちの財産とは比にならないよ〜
お兄ちゃん良いな〜」
とのこと
それを聞いた私は
「あの時お兄さんは立派だな
と思ったけど
そんな風に回ってくるんだね」
と話すとその友人は
「実はねお兄ちゃんが
『俺だけ貰うのはあれだから
お前にも分けてやる」
と言って分けてくれたのよ！」
と言うのです
そして
「だからそのお金で車を買おうかと思って
お兄ちゃんに聞いてみたら
『あげたお金だから好きにすれば良い』
って言われたの」
と話しました
驚いた私は
「それって凄い事だよ
お兄さんが独身だったとしても
中々出来ない事なのに
お兄さんは結婚して子供もいるんだから
それは本当に感謝だね」
と友人に話すと
「本当だね
あとね
『一度に渡すとお前の税金も
大変だろうから考えてまた渡す』
とも言ってくれもいるのよ」
と言いました
なんと懐の深いお兄さんなんでしょう
私は驚きを交えてこの話を母にすると
「それは本当に中々出来ない事だね
お兄ちゃんがそのように
妹を大切に慈しむ気持ちがあるなら
その友人の家は栄えるね
色々な事情があって
平等にできない場合や
親の意向もあるから
一概には言えないけれど
上のものが独り占めせず
キチンと分け与えることで
ご先祖様もとても喜ぶし
必ず良い事があるものよ
その家には福がやってくる」
と母は話したのでした
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