もう何十年も前のお話しですが
今話題の宗教団体に入っていた
私の友人の優しいお母さんは
母子家庭で子供二人を育てていて
仕事も掛け持ちしていたようで
いつも忙しそうにしていました
私がまだ高校生だったある日
いつものように
その友人の家に遊びに行って
そのまま泊まりました
夜になりトイレに行った時に
リビングの横を通ると
お母さんは一人
何やらビデオを見ていました
私に気づいたお母さんは
私においでおいでと
手招きをして
「ちょっと一緒にビデオ見てみない？
とっても為になるビデオだよ
仕事や家事が終わって
疲れていても
このビデオを見ると元気になるの」
と勧められたのです
私はとても眠かったのですが
いつもよくしてくれる友人のお母さんの
勧めを断われず了解すると
お母さんは嬉しそうに
そのビデオを巻き戻して
最初から見せてくれました
ビデオを見ていると
最初渦巻きのようなものがクルクルと周り
金色にピカーっと輝く光が発せられ
床の間にも飾ってある教祖夫婦が
その光から登場します
その後の内容はと言うと
実は私も眠たくて
ハッキリ覚えてないのです
教祖が何かを話していたり
何かの映像が流れたりしていました
隣で一緒に見ていた友人のお母さんは
うっすら涙を流していて
毎日のように見ているであろう
このビデオで涙を流している
その姿に驚き
とても心酔しているんだなと思いました
確かビデオを見始めて
一時間くらい経ったころでしょうか
友人がなかなか戻ってこない
私の様子を見にきてお母さんに
「ちょっと！
かえでは私の友達だよ！
もう寝る所だったのに！」
と少し怒るとお母さんは
「あ～!ごめんごめん
おやすみね」
とやっとのことで
私を開放してくれたのです
そして友人は私に
「ごめんね〜」
と言いつつ私の顔色を伺うように
「ビデオどう思った？」
と聞いてきたのです
その時の友人は
私の反応がとても
気になっているのを感じました
そして私は
「うーん…
難しくてよく分からなかったけど
きっと何か為になる話しなんだろうね」
となんとなく話しを合わせると
友人は嬉しそうにしたのでした...
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