知るはずもないことを言い当てられ
さらに私たちの未来まで
言い当てられた『能登の人』
能登の人の言う通り
先輩は妊娠し結婚して
会社を辞めました
そして生まれてきた赤ちゃんも
能登の人が言う通りの男の子でした
私は出産祝いにかけつけると先輩は
「本当にあの時の能登の人の
言う通りになったよね
あの人は本当に何だったんだろうね…」
と話したのでした
私も忘れかけていたのですが
先輩にそう言われ
とても不思議な人だったな
と思ったのでした...
それから半年以上経ったある日
当たり前ですが私は
その案内所で働いていて
他の同僚と一緒に
仕事をしていました
とても忙しい日で
バタバタしていたのですが
見覚えのある男の人がやってきて
「元気？僕の事覚えてる？」
と私に言うのです
私はすぐに気づき
『あっ！能登の人！』
と言いそうになったのを
グッと我慢して
「覚えてます
覚えてます
とてもお会いしたかったんですよ
あの時言われた通り
先輩は結婚してここを辞めました
そして言われた通り
無事男の子が生まれたんですよ！」
と興奮して言うと能登の人は
「でしょうね
もうここにはいらっしゃらないだろうな
と思ってましたよ」
と笑顔で言いました
私はまだまだ話をしたくて
「ちょっと待って下さいね」
と言って
他の方の対応をしていて
なかなかゆっくり
話せませんでしたが合間に
「でも良いですよね…
これだけ未来がわかるなんて」
と言うとその能登の人の顔が曇って
「全然良くないですよ…
自分の事は全く分からないし
好きになった人に
告白しようと思っても
自分以外の人と結婚している未来が
見えるんですよ
おちおち告白もできません
カンを働かせると
頭が痛くなり体調不良になるし
こんな能力は欲しくもなかったですよ
だから私は占い師にはならないんです
これからも気が向いたら前みたいに
言っちゃうかもしれないけど
これからも仕事として
人を見る事はしないです」
とキッパリ話されたのでした...
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