自分の和太鼓の曲にはソロパートを組み込む事が殆どです。
その理由としては太鼓の集団演奏においても、演者一人一人の個性を発揮できる場所があってよい、との考えからです。
曲は合ってもアドリブ主体のジャズのような太鼓、伝統系の太鼓に見られる下拍子に乗って上拍子が一人で打つような太鼓がとても魅力的に思うところがあります。
今はマスゲーム的組太鼓が主流ですが、そういう太鼓に対するアンチテーゼ的な思いがあるのやも知れません。
曲を覚えて皆で揃い打ちをしている事に慣れていると、いざアドリブで打ってみて、と言われてもすぐには打てない人が多い。
アドリブの練習は必要に思います。
アドリブを打つコツはいかに多くの自分のフレーズを持っているか、そのフレーズの保管庫から瞬時にフレーズを持ち出して組み合わせて打てるか、かと思います。
アドリブで打てない人はフレーズのストックが乏しい。
一連の曲は打てるのにアドリブソロは打てない、という人も多いのです。
フレーズのストックを増やすにはフレーズ単体で覚えるのがよろしいかと。
自分が覚えている曲のフレーズを分解してみる。
物質を構成している分子や原子に分解するのに似ています。
ドンドコドコンコドコドンスコドコ
という曲があったら
ドンドコ ドコンコ ドコドン スコドコ というフレーズに分解
さらに
ドン ドコ スコ ドンド コンコ ドコド スコド
さらに
ド コ ス
という具合です。
そうして分解した要素を今度は自由に組み直してみる。
そうして作ったフレーズを打ちこんで体に入れる練習をすると、自然にフレーズが溢れ出るようになって行きます。
もっとバリエーションを増やすには縁を入れる。
例えばトントコという下拍子を使って縁に置き換えてみる。
ここではトントと、と表記をします。
カタカナ=右、ひらがな=左、トントと=右右左
トントか トンカか トンカと カッカか カッカと カットと カットか
という組み合わせがあり、これを練習で考えずに打てるようにする。
トとトと、カかカか の組み合わせも考えられます。
※基本は右左交互
トとトか トとカと トかトと カとトと トかカか カとトと カとカと カかカと
・・・という具合です。
これ以外に強弱を組み合わせたり、音のあるなしを組み合わせると膨大なフレーズを創る事ができます。
このようにして無数のフレーズを蓄積して自由に取り出す事を練習すればアドリブソロが打てるようになります。