職場復帰 | 隆起性皮膚繊維肉腫になりました~DFSPってなに?

隆起性皮膚繊維肉腫になりました~DFSPってなに?

隆起性皮膚繊維肉腫(DFSP)という皮膚がんになりました。100万人に5人という珍しい病気らしくて、体験者の情報があまりないので、誰かの参考になればと思いブログを始めました。

 

 

 

 

退院から4日後の月曜日、職場復帰しました。
デスクワークだからなんとかなると思ったんですよ。そりゃわたしだって休めるもんならゆっくり休みたいけど、事務員二人しかいないし、年末に向けて忙しいし。体はきつくても出勤したほうが気は楽ってこともあると思ったんですよ。

上半身で仕事すればいい、と下半身で失敗した国会議員のようなことを考えてました。

・・・甘かった。事務員でも、普段は結構歩いてるんだと再認識した。書類を取りにプリンターまで、カルテを探してカルテ庫まで、必要なファイルを取りにキャビネットまでetc。それらをいちいち誰かに頼むなんてことは、できん!そしてもちろん、お茶も飲めばトイレにも行く。父の遺品の杖をつきつつ壁にもたれかかりながらよろよろと歩くわたしの、なんと怪しく惨めなこと。


毎日家に帰ったらベッドに倒れこみ、家事なんか一切しない。料理も洗濯も掃除も、(普段以上に)母にお任せ。父がいるときじゃなくてよかった、こんなんじゃとても介護は無理だったし面会にも行かれない。お父さん、ほんとにいいタイミングで旅立ってくれてありがとうと泣きながら父を悼む。傷は痛む。ダジャレを言っている場合じゃない。

そして退院から1週間後、外来受診で抜糸。
仰向けになったわたしから患部は見えないけど、パチンパチンと糸を切り、お団子ガーゼを外した気配。「見ていいですか?」と聞いて、体を起こすと・・・・

なんということでしょう~!そこには、とても直視できない光景がひろがっていたのです!(ビフォーアフター風に)

セルクル型って、わかります?セルクル型とかスコーン型とか。
想像してください。直径6㎝ほどのスコーン型を内くるぶしの少し上に押し当て、そのままグリグリグリっと深さ2センチほどくりぬく。今のわたしは、まさにそんな状態。脚に穴がぼっこりほげてるの。思わず(心の中で)「先生、スコーン型使いました?」って聞いた。



なかなかの衝撃に言葉を失っているわたしに、若くてかわいい皮膚科医は、「明日からは自分で洗ってください」とにこやかにおっしゃる。

・・・なんですって!? わたしが、この、むき出しの穴を洗うって!? そりゃ、うちの同僚ナースさんたちは褥瘡の処置も上手だけど、わたしは善良なただの事務員なんですよ、こんなゾンビ映画みたいな傷を洗うって、無理でしょ!?

・・・いろいろ言いたいことはあったけど、軟膏の処方箋を受け取ってしおしおと帰った。
もしかしてわたしが早く退院したいといったから、「この人は放置で大丈夫」って思われたんだろうかと邪推したくもなる。あるいは、ほんとに皮膚しか見ないのか。
その点、職場の同僚ナースさんたちは優しい。処置に必要な材料を社員価格で分けてもらい、傷の処置の仕方を教えてもらった。
この傷の処置の仕方は、怪我したときなんかも役に立つので詳しく書こうと思う。