3x3x3のキューブパズルは分解可能なものが多いです。
子どもたちには物事の仕組み、構造に興味を持ってもらいたいので、分解してもらいました。
分解後はまた元通りに組み立ててもらいます。
モノを分解して隠れている内部構造を見たことがある、という経験をたくさん積んで欲しい。
最近、学習支援に関するあるサーベイ論文を読みました。 → 学習支援の理論と実践 ―記憶と知識―
心理学の分野において、学習のための反復練習の必要性とその副作用および限界が示され、より良質な記憶を得るための5つのコツのようなものが書かれています。
そのうちのひとつは深い処理、精緻な処理。
たとえば教科書の内容を覚えたいとき、その字面や音に注目して何度も "反復"して読み返す(反復)よりも
意味を考えたり(深い処理)、他の記憶情報と結び付けて覚えたり(精緻な処理)するほうが覚えやすい・・・のだそうです。
これは分解する行為の大切さに通じるところがあると思うのです。
ものの表面だけで楽しんで終わるのではなくて、隠れている仕組みや意味を理解するとよりよい記憶、知識になると思います。
また記憶には、エピソード記憶(個人的な経験の記憶)、意味記憶(一般的な知識)、手続き記憶(身体的あるいは認知的な技能)の3つがあるそうなのですが、ものをバラバラにして仕組みを知る行為は、いずれの範疇にも入る行為だと思います。
つまり
- キューブパズルをバラバラにしたことがある = エピソード記憶
- 中の仕組みはこうなっていたのか = 意味記憶
- 一度ばらして組み立てると2回目以降はよりスムーズにそれを行なえる = 手続き記憶
こうして総合的に記憶にアプローチできる経験をたくさん積むのが、子どもたちの記憶=学習にはいいのではないかと思います。
できるだけ子どもたちの学習のプラスになれるように、私自身も勉強を続けたいと思います。