お仕着せの簡単・便利を否定しよう | ハッピーコンピューティングのブログ

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東京都小平市の小さなプログラミング教室のブログです。

お仕着せの簡単・便利を否定しましょう。
少なくともプログラミングを学びたいなら。

何度でも失敗ができるのがソフトウェアのいいところという考え方は、あくまでもハードウェアと比較した場合に通用するものであって、実際にソフトウェアに起因する失敗で大きな社会問題を引き起こした事例はたくさんあるので、失敗が簡単に許されるというわけでは断じてありません。

ハードウェアよりもソフトウェアのほうが確かに直すための敷居は下がります。
だけどなにかを作る以上、失敗は極力避けるべきものです。
ハードでモノづくりしていたのが技術革新によってソフト的にモノづくりできる部分が多くなっただけで結局モノを作っているというのは何も変わっていません。
モノを作っている以上失敗したらモノはできません。だから失敗はダメです。

大変な労力と時間をかけて作ったものが単純な失敗でご破算。
経験すべき失敗があるとすればリスクを伴うそういう失敗であって、その経験はその後同じ失敗を繰り返さないために強い教訓となるものです。強い後悔を伴わざるを得ません。
何度でも失敗できるからという前提のもとで経験した失敗など、いったいなんの役に立つのか私には分かりません。それはそもそも失敗と呼べるの?

お仕着せの簡単・便利な環境を効率よく使いこなすのにはさほど時間がかかりません。
時間がかからないというのは失敗が少ないということです。失敗から学ぶ機会が少ないということではないですか?
自分なりにあっちこっち調べながら手に馴染む環境を整えるには時間がかかります。失敗しまくって時間がかかるのです。でも無駄にはならない。その後同じ失敗を繰り返す可能性が下がります。

商売をする以上、他者に対して否定的なことをおおやけに言うのはできるだけ控えています。
ですが、私の個性を知ってもらういい機会になるかもしれないので、ちょっとそういうことを書いてみました。
最近の子は失敗の経験が少ない。だから何度でも失敗できて簡単にやり直せる環境で失敗する経験を積ませればいいという論調の記事を読んだ後の、私なりの感想文です。