先斗町のお店で(一期一会)
昨日は、あるグループの中に入って食事をした。もつ鍋・・・話に聞いたがダシや野菜は美味しいものだと思う反面、肝心のモツが私は苦手だと判明する。脂の多さに、加齢となった私の身体がはねつける。結局、モツが好きな人は健康なんだと思う。向い側に座っていた香港からの女性も、モツは苦手みたい。二次会は、当日の幹事をした女性の招きで近くの食事処へ。入口に来ても何も思わなかったが、店の玄関に着くとある人物が座っているように思えた。誰もいないのだけれど・・・、しばらくすると店長らしき人が出迎えにでてきた。私は無意識に言葉がでてしまう・・・「ここは、○○だったですよね?」店長が、幹事の挨拶をそこそこに私に話しかけてきた。【なぜ、ご存知なのですか?】と問う店長に、私は「とても懐かしくて・・・」と応えた。幹事は長年贔屓にしている店だという。私が、母とその友人と行っていた店の屋号は違うし、雰囲気も違う。それでも、お茶屋の玄関に模してある所だけは変わらない。二階もいいが、一階の川床のある場所が素敵なんだという幹事を無視して、二階に行きたいと幹事にせがむ。後から店長がきて、今日ならそれが正解だという。眼下に川床が見え、少しずつ外国人の客が座りだす。「外国には、川床の文化が珍しいのよ」という彼女。一階の川床を見てから、二階に行こうという幹事の彼女を無視した私にそう言ってきた。贔屓の幹事には、いつも店長がサービスに何かだしているような雰囲気?それでも今宵のサービスは、ローストビーフのイタリアンサラダ風だった。幹事の彼女は、好物なのか目を輝かせていた。メニューにはない品物だから余計に喜んでいた。私はと言えば、上にあるモッツアレラチーズがダメで一口もダメだった。帰りに店長が飛んできた。もちろん、お見送りなのだろうが私にある人物の近況を尋ねてきた。当然、この店長にも知らされている話だと思っていた、ある人物の話。彼は、聞かされてもいなかったようだ。とにかく、みんなを待たせるわけも行かず、簡単に説明をして店をでる。先斗町に川床が出せるお店を作りたい・・・、それがある人物の夢だった。先斗町の物件は、なかなかでないし高価だ。「○○のおとうさん」(祇園独特の花街にある店主の呼び方)と呼ばれるのが嬉しいと言っていた彼は、赤字続きに悩み、別の人に経営を頼み、大家として物件を残していたようだ。それからは、外国人が好んで行く日本料理を中心にした多国籍料理をだす店になったみたいだ。そのせいか、コロナ渦の不遇な時代はあったとはいえ、黒字の店へと変わっていた。また一つ、昭和の時代が終わった・・・。私は、彼がこだわった部分がのこる建築を見ながら、それを施した工務店の大将の顔を思い出す。知らなかったとはいえ、この店に来るのはこれが最後かもしれない。なつかしさと。母を含め消えてしまった人達の事を思うとかなしい。