今回は、KAZの新刊のウラ話です。
執筆の舞台裏でどんなことがあったのかを少し。
『実用★聖書リーディング入門』には、
「使徒信条」の全文を掲載することにこだわりました。
聖書本文には、使徒信条は載っていませんね。
でも、使徒信条はキリスト者が何を信じているのかを
簡潔にまとめてくれている名文ですし。
キリスト教を名乗る異端・カルト宗教を
ふるい分けるためにも欠かせないものですから。
聖書ビギナーにも「使徒信条」の存在と内容は、
ぜひ知っておいてほしいと思いました。
『実用★聖書リーディング入門』では、
日本キリスト教団出版局発行の
『讃美歌』566番の使徒信条を転載しました。
↑本書執筆のために、神戸のキリスト教書店で慌てて購入した讃美歌(笑)
使徒信条の日本語翻訳には、
いくつかのバージョンがありますが。
おそらく『讃美歌』566番のバージョンが、
キリスト業界でいちばんポピュラーであることと、
著作権的にも無難と判断してのことです。
古代キリスト者が作った使徒信条の原文には
現代人を制約する著作権はありません。
しかし翻訳文書には、翻訳物としての著作権が発生します。
各教派、教団などで、
使徒信条を現代的な口語訳に翻訳したものが該当します。
詳細は省きますが、
著作権問題を回避するためにも、
初版1954年の『讃美歌』566番を使うのが無難なのでそうしました。
使徒信条の言葉づかいが、古い文語なのが難ですが、
あれもこれもワガママは言ってられません。
それでも念のため、『讃美歌』の発行元である
日本キリスト教団出版局さんにも、
転載OKか確認の問合せをいたしました。
さいわい、すぐにご回答をいただけまして。
使徒信条の文章だけなら転載しても問題ないとのことでした。
日本キリスト教団出版局さん、
お忙しい中、迅速にご対応いただきありがとうございました!
無事に出版できたお礼と報告を兼ねて、
日本キリスト教団出版局さんに
献本をお送りしようかと思いましたが、
私が日キさんに献本するのも変だなと思い、やめました(^_^;)
ここで、すでにキリスト者の方なら、
こう思うわれるかもしれませんね。
せっかく「使徒信条」を載せるのだったら、
「主の祈り」も載せた方がよかったのでは?
はい、ごもっともです。
『讃美歌』564番の「主の祈り」も、
載せようと思えば載せられたと思います。
私自身も、当初は載せるつもりでした。
しかし結局、「主の祈り」の掲載は見送りました。
見送った理由は2つ。
【理由1】
文語の言葉づかいが古い&堅苦しすぎて、
聖書ビギナーのつまずきになるリスクがある
「やっぱり聖書ってむずかしいな」
「聖書の神様は堅苦しくて気難しいんだな」
「こんな清らかな祈り方はできないよ」
そんな風に思われて、
神様や聖書を敬遠されるリスクが高いと判断しました。
奇しくも、さっそく本書のレビューを書いてくださった方が、
「聖書はむずかしくてわからないけど……」
とおっしゃっています。
聖書がむずかしいというのは、
多くの現代日本人が感じていることだと思います。
(どなたか存じませんが、匿名のタロット占い師さん、
ご購読と最初のレビューありがとうございます)
聖書はむずかしいと感じさせてしまうのは、
キリスト業界の配慮不足だと、私は考えます。
なので、「主の祈り」をもっとなじみやすい
現代口語に翻訳したバージョンもいくつか存在します。
私は個人的には『キリスト教放送局FEBC』の
放送最後に流れる「主の祈り」が好きです。
しかしわかりやすい口語の「主の祈り」は、
商業出版物への全文転載ハードルが高い。
なぜなら。
【理由2】
翻訳著作権者の許可がいる
あああああああああ!!
面倒くさい!!!
もうええわ!!!
というわけで、「主の祈り」は、
今回の『実用★聖書リーディング入門』には
載せませんでした。
その代わりに、本書15ページの、
★神は「父」、人は「子」 の説明で、
山上の垂訓の「主の祈り」をちらっと紹介していますので、
今回はこれでええやろと(^_^;)
本書の趣旨は、タイトルの通り、
『実用★聖書リーディング入門』なので。
使徒信条をベースにして、
聖書を正しく読むことにフォーカスできれば上出来です。
「主の祈り」は、また別の機会があれば、
あらためて検討することにします☆
↓主の祈り:山上の垂訓バージョン
あなたがたの父は、願う前から、
あなたがたに必要なものをご存じなのだ。
だから、こう祈りなさい。
『天におられる私たちの父よ
御名が聖とされますように。
御国が来ますように。
御心が行われますように
天におけるように地の上にも。
私たちに日ごとの糧を今日お与えください。
私たちの負い目をお赦しください
私たちも自分に負い目のある人を
赦しましたように。
私たちを試みに遭わせず
悪からお救いください。』
――新約聖書『マタイによる福音書』 6章8b-13節
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※ 記事中の聖句引用元/日本聖書協会『聖書 聖書協会共同訳』
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