性格? それとも 育て方?・・・ | つまづいても 犬たちとのエブリデイ

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ひとりの やや元気すぎるおばちゃん訓練士の、ドタバタな日々のブログです。

今日は 少し真面目に犬の事を書いてみましょう。。。

あっ そこのあなたビックリマーク 私が訓練士だって事 忘れてたでしょ!!

やだなぁ 私 ものすごく仕事熱心なコーギー訓練士ざんすのよ笑うシェルティ


・・・・と みなさんに私の職業を思い出していただいたところで・・・・・


昨日のレッスンで飼い主さんから ある質問を受けました。

知り合いのワンちゃんが 飼い主にも他人にも他犬にも噛みつく癖がある。これは 性格によるものか もしくは 育て方によるものか・・・。というお話。


実際にその犬を私が見たわけでもないし 具体的なことはわかりませんが、一般的な話と 私の経験から答えさせていただきました。


どうやら その犬はまだへその緒が着いているような状態で保護され 今の飼い主さんが手塩にかけ育てたようです。

仔犬の頃から 身体を撫でようとすると嫌がり 歯を当ててきていたそうです。

そこから察すると かなり過敏な性格の犬だったのでしょう。飼い主さんは 希望として誰に対してもフレンドリーな犬に育てたいと思っていらしたようですが 何せ 犬と生活するのが初めてだったとのことで トレーナーに付いて訓練を始めたのは生後6~7ヶ月頃だったそうです。

トレーナーも 生傷が絶えないような状況だったようですが そのトレーナーの説明の仕方にも問題はあったと感じますが 何よりも 飼い主さんが その犬の状況をあまり深刻には受け止めていなかったというのが大きいと思いました。


私は ご存じの方も多いでしょうが シェルティの繁殖をしています。

シェルティという犬種は 警戒心もあり 性格はかなり神経質な所を持ち合わせています。それは牧羊犬として作られたという事にも関係しています。(実際には原産国でシェルティを牧羊犬として実働している事はないようですが) 

純血種というのは それぞれの仕事の内容によって強められてきた性格というのがあるということです。

シェルティの仔犬が生まれると 私は生後2週間くらいからパピートレーニングを始めます。

どんなことをするのかと言うと まず 身体を触ることから始め アイスノンなどの保冷剤に数秒乗せて すぐに温かい物に乗せてやる ということもやります。

なんでそんなことを!? と思われるかもしれません。

これは 軽いストレスを与えて その後 安心する状態に戻す ということを繰り返すことで 様々なことに過剰に反応しないようにしているのです。

私の所で生まれる仔犬の中にも まだ目も開かない内から 抱き上げると過敏に反応してキャーキャー泣き 身体を硬くする個体も居ます。一見すると 成長したらどんだけ神経質な犬に育ってしまうのかと心配になるほどです。

そんな仔犬にも 上に書いた事を繰り返します。

ちょっと恐いことがあっても 何でもないんだよ 安心して大丈夫だよ ということを 少しずつ繰り返し 繰り返し経験させていきます。

そうすると 生まれつきの神経質な所は完全に消えるというところまでは行かないかも知れませんが かなりの確率で改善はされます。

いろんな事に耐えられる子になるんです。


ご相談を受けた犬は たぶんこんな性格を持ち合わせた犬なのだと想像できます。そんな子に対する接し方を 少し間違えたことで 飼い主が望む方向とは反対の方へ向いてしまったのでしょう。


咬癖のある犬に対しては その 咬む ようになった原因を探ることからトレーニングを始めなければいけません。

原因を探りもせずに 咬む 事だけを抑えようと訓練を急ぐと更に問題を大きくすることにも繋がります。


このご相談を受けた犬は現在どうなったのか・・・・・というと 

散歩中に他人を咬んでしまい それでようやく飼い主さんは問題の深刻さに気づいたとのことで 歯を削る処置をしたそうです。

これも 賛否両論あるところだと思いますが この犬の場合はやむを得なかったかもしれません。

もし 私が直接関わらせていただけているのであれば もう少し違う対処をしたかもしれませんが 飼い主さんが そこまでしなければ気づくことができなかったのでしょう。

そして 自分の犬に対する考えを変えた飼い主さんが ようやく正しい接し方を勉強して頑張っているとのことで 今まで 身体を撫でさせることもしなかった犬が それを許し 飼い主を信用して身体を預けるまでにはなってきたそうです。

目も開かない内から育て 2年くらいしてやっと正しい関係が築かれつつあるらしいのです。

スタートは遅れてしまったけれど これから軌道修正を繰り返して お互いに気持ちよく生活できるように頑張って欲しいと感じます。


私は その犬の性格というのは 生まれ持ったもの3割 育て方で作られるもの7割だと思っています。

先に書いたように 仕事の目的によって強められている その犬種の気質 というものがあると思いますが 家庭犬として人間と一緒に生活をする場合 前面に出てきてはまずいものは仔犬の時からのトレーニングによって抑えていくべきだと思います。

雑種犬の場合 何と何の組み合わせかわかっているものは 想像も付きやすいですが 何が交ざっているのかわからない個体の場合 その犬自体を観察し その子に合うトレーニングをしなければいけないでしょう。

私の所にも 思いっきりの雑種犬がいますが 彼らを見ていると実感します。


何か自分の犬の事で 困ったこと 悩むこと があれば 経験の深いプロに相談してください。


おぉ~~叫び

今日のブログは なぁんて プロっぽい んざんしょププッ・・・