胃がん宣告と晴れた霧 | おひとりさま、がんになる

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私の経験が同じおひとりさまのお役に立てれば♪

   A病院の看護師長から心無い言葉を聞かされ、怒りとやるせない気持ちでいっぱいになった3日後の午後1時頃。

   予定より1日早く、胃の内視鏡検査をしたB病院から電話がかかってきました。

   「先日、実施した検査の結果がでましたので、今日、来られる時間はありますか?こちらは、いつでも大丈夫です。」

  

   仕事中に電話を受けたので、「行ける時間が決まったら、連絡します。」と一旦電話を切ってから、仕事を調整して休んでいくか、休暇をもらって早めにいくか考えていたのですが、「明日のはずなのに、早くしてくれたのかな?やっぱり、結果が悪かったのかな?」・・・悪い方に悪い方に考えてしまい、仕事が手につきませんぐすん

   上司には理由を言わず、休暇の申請をしたのですが、私が余程動揺していたのでしょう。

   何も聞かず、休暇を許可してくれました。

 

   そして、16時頃。B病院に到着。

   最悪の結果を考え、母には伝えず、一人で結果を聞こうと考えていたのですが、言うべきか、言わないべきか相談した従姉から母に連絡が入り、間もなく母も病院にやってきました。

 

   やがて診察室に呼ばれると、先生はとても落ち着いた穏やかな口調で話し始めました。

   「細胞診の結果、クラスⅤで、やはりがんでした。内視鏡検査で見た限り、広範囲に広がっているものではないので、普通のがんならば、腹腔鏡での手術になりますが、あなたの場合は、開腹による手術が必要です。うまくいけば2/3の切除で、ひょっとしたら全摘になるかも知れません。スキルスになる手前ですね。」。

 

   やっぱり!とは思いましたが、それまでに悩んできたこともあり、比較的冷静に受け止めました。

   でも・・・んん?スキルスの手前って何???

   「私はスキルスではないってことですか?」

   「そうです。ただし、何か月も放置できるものではありません。」

 

   「最初にお話ししましたが、私は先に乳がんが確定していて、A病院で手術を受ける予定ですが、今のお話では、胃がんの手術を先にした方が良いですよね?」

   「そうなると思います。」

   「では、なるべく早く手術を受けたいのですが、どこで受けたら良いでしょう?」

   「医大に紹介状を書きます」

   この時点でまだ医大は、家から遠いし、待ち時間が長いし、研究対象にされるかも?と思っていた私は、

   「医療センターじゃだめですか?」とこの期に及んで抵抗(笑)

   「医大の方が良いと思いますよ。」の言葉で断念しました。

 

   次に気になるのは、乳がんの方です。

   「前にもお話したとおり、乳がんの手術をすべくA病院で検査をしています。明日も検査があるのですが、乳がんの方はどうしたら良いでしょうか?A病院に相談しても埒が明かないのです。」

 

    すると先生は

    「分かりました。両方の手術を受けるようになるのであれば、一緒の方が良いかも知れませんね。医大には、胃がんの手術ばっかりやっている先生もいますし、乳がんのばっかりやっている先生もいますが、二人とも信頼できるお医者さんですよ。」

     「では、A病院には、医大で手術を受けたいと言って、紹介状を書いてもらえば良いでしょうか?」と聞くと、少し間があって

 

    「医大への紹介状と、A病院の先生に、医大へ紹介状を書いてもらえるよう紹介状(依頼状)を書きましょう。明日、それを持ってA病院に行ってください。この後すぐ受付の者が医大に連絡して受診日をきめますので。」

 

   この時のこの言葉で今まで濃い霧が立ち込めていた道が、急に開けたような気分になりました。

   信頼できるお医者さんに出会えて良かった!

   これから胃がんの手術に向けて、一気に動き出しました。