科学で学ぶ地頭シリーズ第3弾です(笑)。


第1弾:地頭クロマトグラフィ
第2弾:地頭トリチェリの実験

地頭加速度モデル
このブログでは、地頭(先天的な学習適性)は残酷なまでの個人差がある、と繰り返し述べてきました。その中で、これまでは地頭の差による学力の伸びの差は、一次関数的(線形)な現象であることを前提にしたモデルとして考えてきました。しかし、実際は二次関数的(非線形)なモデルの方が現実をよく説明できるのでは?と考えるようになりました。
というのも、学習適性の高い人は「『学習のやり方』を学習する」能力も高いので、学習を重ねていくうちに「学習効率」も良くなる、言い換えると単位時間あたりに学習できる量(学力の増分)が加速度的に増えていく、という現象が観察されるからです。
このモデルの違いをグラフで表現すると、従前の1次式モデル(図1)、今回提案する2次式モデル(図2)になります。

図1:地頭1次式モデル(線形)


図2:地頭2次式モデル(非線形)


1次式モデル(図1)より2次式モデル(図2)の方が、学習する時間が長くなるほど、地頭による学力の差の拡大の度合いが大きくなります。
学習開始から時間が経つほど、地頭の差は埋められなくなる、という多くの人の「実感」とも合致していると思います。



逃げ馬戦術の困難さ
この2次式モデルだと、並の地頭で先取り学習をベースにした「逃げ馬戦術」が、なぜ後発の「地頭強者」に抜かれていくのか、説明しやすくなります。

図3:逃げ馬戦術の理想の1つ


図4:逃げ馬戦術の現実


「逃げ馬戦術」では1次式モデルの図3のように、受験本番まで逃げ切ることを目標にしていますが、実際には「地頭強者」の凄まじい加速力で、図4のようなことになってしまう、ということが往々にして起こっているように思います。




まとめ
地頭の差は、学習速度の差(1次式モデル)ではなく、学習加速度の差(2次式モデル)と考えた方が、現実の現象を説明しやすい。

付言
図4のような状況になってもプライドを拗らせないように、「逃げ馬戦術」は後発の「地頭強者」に抜かれることを前提として、謙虚な気持ちで実行することを本ブログでは繰り返し推奨しています。

ご参考
本ブログの地頭ネタのまとめ
疑似的1次関数モデルの例

受験を競馬の脚質に例えてみる