昨日の話の続きです。

今の親世代の中学受験になかったものの1つに、理科の電磁気分野のコンデンサがあります。小学校の理科でコンデンサを扱うようになったのは、21世紀になってからです。
で、当然のように中学入試で出るようになりました(笑)。
典型問題はこんな感じ(図省略)

問1
手回し発電機とコンデンサを直列で繋ぎます。この手回し発電機のハンドルを右回しに回して発電させ、コンデンサを充電します。今、手回し発電機を回すのをやめ、ハンドルから手を離しました。この直後、ハンドルはどうなるでしょうか?

①左(逆向き)に回り始める
②すぐに止まる
③右(同じ向き)に回り続ける

答え③です。実験的には「直感に反する」ので面白いのですが、ちょっと賢い中学受験生なら、この「結果」だけ覚えてそうなので、追加でこんな問題もありでしょうか。

問2
なぜ問1の結果になるのか、理由を述べよ

解答例
手回し発電機を右回りに回すと、ハンドルを左回りにしようとする向きの電流が発生し、その左回りにしようとする電気(電荷)がコンデンサに充電される。ハンドルを回すのをやめた時、コンデンサに充電された「左回りに回す電気(電荷)」が「逆流」する、つまりハンドルを右方向に回す向きに電流が流れるので、ハンドルは右回りに回り続ける。

高校入試で出しても「難しい」と文句言われそうです。ただ、中学入試の恐ろしいところは上記ような解答例を、「理解してないけど覚えられる」受験生がいることです・・・

この例に限らず、中学・高校で習う内容を中学入試で出すのも結構ですが、理科教育という観点からは逆効果じゃないのか?と思わなくもない、今日この頃です。