[禁じられた森・チームハーマイオニー]
ハーマイオニー「ハァ ハァ ハァどうやら逃げきれたみたい」
ロン「ハァハァ ハァ。ああ、そうみたいだね。ハァ?ハリー?!ハリー?!大丈夫かい?ハリー?」
ハリー「フーッ フーッ フーッ フーッ 」
ハリーは諸事情によって口を塞がれているため、走っている間も鼻だけで呼吸をしていた。それがとても苦しそうだ。
しかし
ハーマイオニー「わかってるわねロン。余計な真似はしないで」
ロン「わかってるさ。それよりここはどこだろう?さっきの場所から僕たちかなり走ったぞ。ハグリッドのことも気になるしさ」
ハーマイオニー「ハグリッドのことなら心配いらないわ。だってドラゴンをペットにしちゃうくらいだもの、ディメンターの1体や2体へっちゃらよ」
ロン「え!?いや、あれ10数体はいたよ。ちゃんと見てなかったのか!?」
ハーマイオニー「細かいことは気にしないの」
ロン「(あれが細かいことかよ・・)」
ハーマイオニー「いいロン?とてもじゃないけどさっきの場所へは戻れっこないわ。森の中を夢中で走ってたんだから。それよりもこうなったら私たち3人だけで西の洞窟へ向かいましょう。ひょっとしたら波平さん達が先についてるかもしれないし。うまくいけば合流できるかも」
ロン「西の洞窟って言うけどさ、じゃあ西ってどっちだよ?僕たちもう方角さえわからないじゃないか」
ハーマイオニー「ロン。あなた男でしょう?こんなときこそしっかりしてよ!ちゃんとおちんちんついてるんでしょ?」
ハリーはズボンをおろした。
バシッ
やっぱり殴られた。
ロン「わかったよ。そうだなー。あ!そうだ!いいことを思い出したぞ!」
ハーマイオニー「何?何を思い出したの?」
ロン「ハーマイオニー、きみ懐中時計を持ってたよね」
ハーマイオニー「ええ。あるけど、今時間なんか気にしてる場合じゃないでしょ?」
ロン「いいから僕にかして」
するとロンは木々の隙間から陽の差している場所を探し、そこへ駆け寄った。
ハーマイオニー「なによロン。いったい何をするつもり?」
ロン「よし。ここでいい。時計の短針(今はちょうど午前10時)をぼくの影の方向に向けて、12時との中間の方角が北(11時の方向)だから、西はこっちか! この時計で8時の方角が西だ!」
ハーマイオニー「すごいじゃないロン!あなた見直したわ!」
ロン「へへへ。昔兄さんがぼくに教えてくれたんだ。まさか本当に役にたつ時がくるなんて思ってもみなかったけどね」
☆・*:.*:・。・*:☆ :・*. .:*★ *:・。・*:★・*:
[長兄・ビルがキャンプで教えてくれたこと]
ビル「いいかい、まず北半球では昼の12時に太陽が真南に来るんだ。地球の自転は24時間で1回転するから、太陽は地球の上を24時間で1周してることになるだろ?つまり太陽は1時間で15度動いているってことだ。季節によって多少のずれはあるけどね。
このことを理解していれば、太陽の位置だけで方角が分かるんだ。
具体的に例をあげると、今が午前10時だったら、太陽の位置より30度右が南(反対を向けば北)。 午後4時だったら、太陽の位置より60度左が南(反対を向けば北)になる。
針のついた時計なら角度も目で見て分かりやすい。短針は12時間で1周するから、1時間で30度。つまり太陽の15度の2倍の角度。
短針を太陽に向けたら12時との中間の方角が南。 同様に、短針を影に向けて、12時との中間の方角が北だ。
頭の片隅にでもいれておくといい。いつかお前の役にたつ時がくるかもしれない」
ロン「ふーん。でもなんだか難しくてよくわからないよ」
ビル「そうか?ハッハッハッハッハ!」
ロン「そんなこと知っててさ、本当に役に立つの?」
ビル「いつかのためさ」
ロン「ふーん」
チャーリー「さあ!そろそろ飯にしようか。今日はお前がこの窯(かま)に火をつけるんだ。ただし魔法は使うな」
ロン「えー どうしてだよー。意地悪」
チャーリー「ハッハッハッハッハ!」
★・*:.*:・。・*:★ :・*. .:*☆ *:・。・*:☆:.*:
ロン「(ありがとう兄さん)」
ハーマイオニー「誰がさんとは大違いね」
ハリー「んん」
-つづく-