[禁じられた森・チーム波平]
G4は幸運にも、ケンタウルスの襲撃以降一度も他のモンスターと遭遇することなく、西の洞窟へ向かい意気揚々と歩いていた。
しかも順番に演歌まで歌いながら・・・
それに手拍子までして、モンスターに気づかれたらどうするつもりだ?
ちょっとまてよ‥そうか!この人たち、熊よけの鈴みたいにわざと大きな音を出してるんじゃないか??ここって一応森の中なんだし
あ、いや、ただ暗闇が怖くてひたすら歌っていたようだ。
ちなみにイササカだけはずっと嵐を熱唱していた。
さらにちなみにだが、その時他の3人はその嵐の歌にも演歌の調子で手拍子を打っていた。
途中何度か休憩をはさみながら、険しい森の中を辛抱強く歩いていると、目の前に一本の大きなつり橋のかかった谷が見えてきた。
空はまだ明るい。
波平「みなさん。洞窟はこの谷の向こうです。あとはこのつり橋を渡ればもうすぐそこです」
つり橋の長さは約100m程だ
中島くんのおじいちゃん「ちょちょちょちょちょちょちょちょ磯野さん!この橋を渡るおつもりですか!?」
波平「ええそうですが。なにか?」
中島くんのおじいちゃん「しかしこの橋をよく見て下さいな。もうこんなに傷んでいて、危険ではありませんか?」
イササカ「確かに昔に比べると多少ガタがきとるようですなぁ」
裏のおじいちゃん「磯野さん。他に向こう側に渡る方法はございませんかな」
波平「あることにはあるのですが、この谷を迂回することになり大分遠回りになってしまいます。なぁに、この橋は数百年も前からここに架かっておりますゆえ、今日や明日で落ちる事なんてありませんよ」
中島くんのおじいちゃん「だといいんですがねぇ…」
中島くんのおじいちゃんは恐る恐る谷を覗き込んだが、底が見えない。
ヒューッという風の音と、つり橋がその風に揺らされて出すギーッギーッという音にますます不安をあおられる。
中島くんのおじいちゃん「ムリムリムリムリムリ。こんなのムリじゃ。わしはムリ。絶対ムリ」
イササカ「大丈夫ですよ中島くんのおじいちゃん。目をつむって渡ればなんてことありません。なんなら私と磯野さんが両方からお支えしましょう。なんせ磯野さんと私はV6でいうところのカミセンですからな。そうですよね?磯野さん!」
波平「ええまぁ。その通りです(イササカ先生の言うことは何度聞いてもさっぱり分からん。それにさっきはいったい何を歌っとったんじゃ?嵐?辛子?)」
イササカ「それに多少ガタがきているとは言え、この橋の幅は2メートル近くあります。三人で並んでも十分渡れそうですし、これだけの数の綱でつながれていればまず間違いは起こらんでしょう」
中島くんのおじいちゃん「わしは昔っから高いところが苦手でしてねぇ。申し訳ありませんがお二人ともよろしくお願いいたします」
イササカ「はい。心配はいりませんよ!」
裏のおじいちゃん「それでは決まりですなぁ」
≪つり橋を渡りますか?≫
「はい」←波平
「いいえ」
-つづく-