(1)95.4%の高齢者はタダだと思っている
最近話題になっている「ケアマネのシャドーワーク」実際に収入を貰ったという人4.6%であり、シャドーワークを行っても95.4%の人はタダ働きをしているというアンケート調査だ。
それでこの4.6%の人がどのようにお金をもらったのか興味があるが、仕事の内容から考えて小遣い程度の金額を個人的に貰ったような印象がある。おそらく料金表は無いだろう。利用者の方も「タダで時間を使ってもらうのは悪い」という気持ちもあった事だと思う。その数字が4.6%だ。
つまり95.4%の高齢者は「言えばタダでやってくれる」とか「そういうのを含めてケアマネの仕事だ」と思っている人などになるのだろうと思う。
(2)ケアマネの善意、利用者の悪意
ケアマネの方としても「誰も頼める人がいない」と仕事として振り分けることが出来ないという事情もあるし、なによりもシャドーワークを行う事でお金を得るという考えが無い。更に言えば自分が作ったチームのフォローをするのもケアマネという意識もある。アンケート回答の「自費の訪問介護サービスとして」というのがそれにあたる。
私が経験したので酷い訪問介護事業所は、「担当のヘルパーが休みで、そこに入れるヘルパーがいないのでケアマネさんお願いしま~す」なんていうのもあった。ヘルパーは休みでも利用者は何とかしなくてはならない。「今日はヘルパーが休みだからご飯も我慢してね」とは言えない。そうするとケアマネが行って何とかしなくてはならない。
そこで料金を取るわけにもいかない。
料金を取るのであれば事前に契約を結び、承諾を得なければならない。さらにケアマネがヘルパーの代わりで実績を上げることも出来ない。それこそ不正請求だ。
利用者にすれば、ヘルパーはお金がかかるけど、ケアマネはお金がかからないと思っている人もいるだろう。そうするとなんだかんだ理由をつけてケアマネにタダ働きをさせようとする利用者や家族がいても不思議ではない。
(3)今までと変わらないだろう
行政の方は「シャドーワークを明確にして、料金を取る事でケアマネの収入増につながる」と能天気な事を言っているが、このアンケートでも95.4%の人が今までお金を払うことなく来ているのだ。それを改まって自費契約と言っても対応は難しいだろう。
というより行政の方も「どうせ出来ないだろう」という事は分かっていると思う。分かった上でこういう事を言うのだからタチが悪い。
おそらく今後「シャドーワークについては契約した上で適切に行うように」という解釈が出るのだろう。つまりケアマネにすれば今までと全く変わらない。
個人的にはこういうことがあれば、出来る業者を紹介するにとどめる。そこまでならタダで出来る。しかし実際に手を出さなければいけないものなら「ケアマネの仕事としては出来ない」と断るだろう。
それで信頼関係が壊れて、担当を代えられるのであればそれまでの関係だと思う。