(1)我が社にいた外国出身ヘルパー
先日、全介護従事者における外国出身者の割合が10%を超えたという記事を書いた。施設によっては20%を超えるところもあるという。それだけ日本人が介護の仕事を敬遠しているという事で、それに対しての意見は色々あろうが、すでに働いている人について書いてみたい。
我が社でも人材紹介会社から東南アジア出身の方を雇ったことがある。その方は日本人と結婚している方だから正確には日本人だ。最初に懸念したのはホームヘルパーの仕事を行うにあたり、自転車移動が出来るかという事。そして記録が書けるかという事だった。
自転車の方は問題なかったが、記録を書くという点ではちょっと大変だったようだ。それでも何とか仕事にはなっていた。
利用者の方も最初は警戒していたが、人柄も良かったのかクレームは無かった。我が社の場合はそういう人だから良かったものの、やはり上手くいかない外国人ヘルパーの話もちょいちょい聞いたこともある。
(2)外国人は怖い?
人によるのだろうが、偏見溢れた目で見れば、まだ日本人にとって外国人は怖い印象もあるのだろうと思う。
今年の参議院選挙でも外国人問題というのは争点になった。在日外国人の増加で日本人が追いやられている地域の話もよく聞いた。
そういう一部の傍若無人に振舞う外国人のせいで、外国人全体のイメージが悪くなっているというのは良くはないのであろう。しかし日本には「郷に入ったら郷に従え」という言葉がある。それは島国根性と言われようとこの国がそれで保ってきた「知恵」である。外国人から見ればルールが細かいなどの窮屈さはあるだろうが、それで日本はやって来たという事なのだ。
そういうやり方に良いも悪いも無い。それがここで生きていくための知恵であり、文化だからだ。
外国出身者にとって日本はどのような国として映っているのだろうか?
(3)日本にいて、異国の習慣に基づく介護施設
もし海外で仕事をするとなったら、やはり「郷に入ったら郷に従え」という事になるのだろうと思う。それがその地域に暮らす人への敬意であり、和を乱すわけにはいかないからだ。
食べ物の事や宗教の事など、他国で暮らしていても譲れないものはあるのは理解出来る。そういう「個人の意思」をどこまで尊重するかはその事業所次第だろうが、どこまでできるかは今後を見守りたいと思う。
しかしそんなことを言っていられないのかもしれない。日本人の文化を壊してまでも、外国人に頼らなければいけないのが、日本の介護の未来なのかもしれない。