ケアマネを燃え尽きさせないためにも | ケアマネ時々卓球、時々その他

ケアマネ時々卓球、時々その他

仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

(1)そもそも無理がある中で

ザっと考えただけでもケアマネには以下のような性格の違う役割を求められる。

①制度としては公平中立で利用者の利益を守るキーマン。

②利用者・家族にすれば自分たちの生活を維持するために助言し、介護サービスを中心に支援体制を調整してくれるキーマン。

③会社にすれば自分のサービスに呼び込む営業としてのキーマン。更には自分たちの職員に対する指導的立場としてのキーマンでもある。

 

つまりはどの立場からケアマネを見ても、ケチの一つや二つはつけられる。制度の求める「公平中立」を守れば会社の「利益を損なう利敵行為」に思われることもあるし、そもそも介護サービスを含む支援体制がどのようなものがあるか分からない利用者や家族にとっては「タダで何でもしてくれる人」という認識しかない。

 

そしてそれぞれの立場で評価され、少しでも意にそぐわなければ「質が低い」と酷評されるという立場であるという事をまずは申し上げておきたい。


(2)アンケートから見る「燃え尽きの理由」その1

まず燃え尽きる理由を「仕事内容」と「職場環境」と分ける必要がある。仕事は好きでも職場が嫌だという事は往々にしてあるからだ。

 

先に「職場環境」で見る。記事を引用するが、職場の上司や同僚など身近な人がバーンアウトと思われる状態になった経験があるかないかを尋ねた質問でも、37.8%が「ある」と答えた。「ない」は23.4%、「わからない」は38.7%となった。

 

まず、その職場がケアマネにどのような期待をしているかによる。大きく分ければ職場の期待は二つ。一つは在宅サービスなどにみられる営業としての要素。そしてもう一つはスキルを期待され様々な仕事を押し付けられることである。

 

まず営業マンとしての期待だが、在宅で併設サービスがある場合は当然その期待はある。自分の所のサービスを利用させるための窓口がケアマネというものだ。

だから地域包括でも気の利いた人は、ヘルパーが必要という利用者には訪問介護事業所が併設された居宅介護支援事業所に依頼する。

これは営利企業としては当たり前の事。

例えば45人利用者を持つケアマネが二人いて、40人併設サービスに呼び込んだ人と、10人しか呼び込まない人であれば、社内評価はどちらが高いかは言うまでもない。営利企業における会社への貢献は売り上げを上げることである。

 

そして二つ目のスキルの期待である。ケアマネになるには最低5年間の実務経験が必要になる。更に試験はそれなりに難しい。そういう難関を突破してきたのだから「何でも出来る」「何でも知っている」とばかりに仕事を押し付けられるという事もありうる。

併設サービスによってはデイサービスの送迎を手伝ったり、サービス事業所のクレーム処理に当たったりもする。

 

どちらも会社としては当たり前だが、売り上げを上げるために上司が干渉してくる事と、制度における「利用者の利益」が合致しない狭間に立たされるケアマネは苦しいだろうと思う。

 

(3)アンケートから見る「燃え尽きの理由」その2

次に業務内容を見ていく。

このアンケートによると「業務量の多さ」(29.1%)、「仕事の内容」(23.1%)、「職場の人間関係」(22.4%)、「ご利用者との人間関係」(14.9%)とある。

 

これは先の「職場環境」に関する問題よりは解決策が見える。

まず「業務量」でいえばパソコンなどの機器で効率化を図ることが出来る。

「仕事の内容」「ご利用者との人間関係」は仕事をしていくうちに出来るようになるものもあれば、どうにもならないこともある。

 

そういう事を含めて「職場の人間関係」は重要だ。

 

サービス残業する人が仕事が出来る人という全く意味のない評価であったり、面倒な仕事を押し付けてくる奴はどの職場でもいるだろう。

 

つまり仕事に対するマネージメントが良い、働きやすい職場である事は大事だろうと思う。

 

そもそもケアマネは制度と職場、利用者との関係でも理想と現実の狭間に立たされている。しかも並び立たない所でそれぞれの完璧を求められるわけだから上手く行くはずがないという事を前提とすべきだ。

 

人は期待を裏切られた時ほどその人を嫌いになる。

会社にとってケアマネは利用者を呼び込む営業マンの期待があると繰り返し書いた。つまり経営の根幹でもある「顧客確保」であるが、その期待は経営者が思っている程上手く行くことは無い。そういう現実を分かってくれるところが働きやすい職場なのだろうと思うし、燃え尽きること無く仕事を全うできるだろうと思うのだ。