ケアマネが働きやすい環境づくりを | ケアマネ時々卓球、時々その他

ケアマネ時々卓球、時々その他

仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

(1)行政の犬となる事を強要される主任ケアマネ

私は居宅介護支援事業所の管理者要件に主任ケアマネの資格が必須となった時に役所に相談に行った事がある。その時の回答は「主任ケアマネは区に貢献する人材に対し推薦を与える。居宅介護支援事業所の管理者になりたいからという理由では推薦しない」と言われたので、その要件がくる令和9年3月をもって、我が社の居宅介護支援事業所を閉鎖する事を決めた。

 

主任ケアマネが悪いわけではない。

しかしその推薦内容は自治体への協力、会議の参加、困難ケースの受け入れなど、居宅介護支援事業所に押し付けるものばかりで、とても受け入れられるものでは無かった。

そもそもケアマネの上位資格であるならば、一般のケアマネの指導であったりという事があるのだが、そもそも何をもって指導になるのかは疑問である。

 

単純に私は運営指導に引っかからなければ良いというスタンスである。

逆にいくら勉強して、業界が望むケアマネであっても、運営指導に引っかかって報酬を返還しなくてはならないという今の仕組みでは質を上げる事云々という議論そのものが無意味である、と考える人間である。

 

そういう人間は業界にとって不要なのだろうと思う。だから経過措置の切れるまでは行うが、その時点での廃止を決めている。しかし最近どうも雲行きが怪しい。

 

(2)主任ケアマネ不要論

自治体からも主任ケアマネの確保や資格取得についてのアンケートが来た時がある。回答は「会社の意向により資格を取る意思も資格取得者を採用する意思もない」とした。

 

私は一人ケアマネで、自分のできる範囲で仕事をしている。当然、誰かを雇って事業を大きくするようなことは考えていない。だから主任ケアマネを取って後進を指導することも無ければ、実習生を受け入れる気も無いのである。そもそも自宅で事業を行っているのに、他人を入れたくはない。

 

そういうスタンスでケアマネ業務を行えているというのは、自分のライフワークからしても充実しているのだ。

 

記事によると経過措置の切れる令和9年には1割程度の居宅介護支援事業所が廃止される見込みのようだ。それに今後の経営状態の見通しも暗い。

そもそもケアマネが不足しているという状態で、ケアマネ自体の確保が難しいと言われている。それをその上位資格が必要であるとするならば、ますます居宅介護支援事業所の運営は難しい。仮に運よく雇えたとしても、その人が勤め続けるかと言えばそれは保証の限りではない。独立を含む何らかの理由で確保できなければ、居宅介護支援事業所は閉鎖に追い込まれる。

 

そうなると、結論として経営者が主任ケアマネを取る以外安定経営はまず無理という事になる。

 

(3)日和始めた行政

居宅介護支援事業所の管理者要件を主任ケアマネにしたのは、そもそもケアマネは人気職種という誤解があったのだろう。

介護の仕事を始めた人にとって、最初は研修を受け、介護福祉士の国家資格を取って、それでケアマネの資格を取るという事がストーリーだろうとは思う。

ケアマネの資格を持っている人はそれなりにいる。しかしケアマネの仕事についている人は、合格者の割合から考えても相当少ない。それは今であればケアマネよりも介護職や医療職の方が給料が高いという給与面もさることながら、ケアマネは大変だという現場の認識が強いのだろうと思う。

その現場の声を無視して、いろんな資格を作って、現場も知らずに「ケアマネは質が悪い」「時代のニーズを学ばなければならない」などと言い続けることによって研修を行い、その費用で潤う奴らの利権を確保したいのだろう。

 

しかしそういう目論見も崩れ始めた。

まず主任ケアマネの受講要件に自治体からの推薦が消えた。つまり今までは推薦という権限が自治体にある為に、居宅介護支援事業所を維持する、もしくはスキルアップを目的とした受講希望者は「行政の犬」に成り下がらなければならなかった。それが推薦要件が無くなったという事は、私が最初に言われた「自治体のために働く主任ケアマネ」でなくても良いという事になったのだ。

 

それでもケアマネ不足は起こるだろう。特に地方ではそもそも介護サービス事業所自体が無いので、全国5分の1の自治体が介護の限界集落であることは以前のブログで書いたとおりである。

 

ではどうすれば良いのか?私なりの論を展開する。

 

(4)業務委託、出向、あらゆる手を使って確保せよ

これは私の希望だが、私は単純に現場でケアマネをしたいのだ。

だからもし、どこかの居宅介護支援事業所が一緒にやりたいと言ってくれれば考えたいと思うのだ。

 

しかし今の法人は残すつもりでいるので、業務委託を希望したいのだ。そうすれば自分のペースで仕事ができるし、自由な形で仕事ができる。勿論、電話連絡は私の携帯電話で良い。

報告の仕組みやらが折り合えば、続けようと思う。

 

おそらく求人広告やらで募集しても期待は出来ない。

だから仕事だけやってくれ、という姿勢でその集約を居宅介護支援事業所の管理者にやってもらえばよい。

しかしこのやり方はおそらく民間では難しい。なぜならケアマネを雇うという事は自社のサービスへ誘導させることもケアマネを雇う理由の一つだからだ。

 

だからこの案は自治体が主導となって行う必要がある。

つまり「介護事業所=民間」という概念を壊す必要があるのだ。ケアマネは公平中立を求められる仕事である。そもそも民間の営利事業には向かないのだ。

せっかく資格を持っていてもケアマネの仕事をしたがらないのは、営利企業の考えにそぐわないのに、無理やり仕事をしていたからだ。公平中立を謳いながら、実際には営利を求めるという矛盾に苦しむケアマネは多いはずだ。

 

雇われる側が、これならやっても良いという条件をどうやって雇う側が作るかが問題なのだ。

 

おそらくそういう仕組みを作ることも無いだろうから気楽に言っているけど。