(1)台湾有事は日本有事
去年、台湾に旅行に行った。
今まで受けてきた歴史では、第二次世界大戦後、中国国内で国民党と共産党の内戦があり、戦いに敗れた国民党が逃れたちが台湾という程度のものだった。中国(中華人民共和国)への配慮は国際連合にも入れない、というより追い出された形になるのだが、国際的に見れば孤立した国という事になる。
国という概念すらあやうい。
一国という事になれば中華人民共和国が中国の政府であり、台湾(中華民国、国民党)とはまだ内戦状態であり、他国は内政干渉するな、というのが中華人民共和国の主張だ。
海の向こうからは虎視眈々と狙われている。毎日サイバー攻撃にさらされている。選挙があれば台湾をぐるっと囲む形で軍事演習が行われる。いつ戦闘の火ぶたが切られるか分からない。
「台湾有事は日本有事」と言われて久しい。そして「国を守るという事」は台湾に人に学ぶべきところは多いと思う。
(2)自分を守るには強くならなくてはならない
私はケアマネだから、やはり福祉についてはセンサーが働く。台湾に行った時、お寺にお参りに来ている車いすに乗った高齢者を何人も見た。信仰の習慣の違いはあるだろうが、そういう姿は日本ではまず見られない。そして番組内では兵役に行った人の老人ホームが紹介されている。そこの門には「国を守った義士」という看板が掲げられている。
日本では戦争に行った人を「国を守った義士」として礼節を尽くしているだろうか。
やはり戦争に負けたという事は国のために尽くしても報われない、礼を尽くしてももらえないというように思われてもしょうがない。そういうことになれば、誰が「国の為に」働くことが出来るだろうか。そしてそれは「報われないならやらない方が良い」という事にもなるし、面倒なことは人にやらせ、うまくいかなければ人のせいという他責志向にもつながるように思う。それが今の日本だ。
台湾には日本には無くなった兵役がある。そして一般人にも戦争に備えて講習が開催され、申し込みは数分で定員になるという。
誰だって戦争はしたくない。誰も傷つきたくないし傷つけたくない。しかし台湾では今も戦争が続いている状態である。
(3)平和ボケも甚だしい
人口、国力、戦力を比べてみても、台湾が中国に勝てる見込みは全くない。桁が違いすぎるのだ。それでも中国が攻略できないのは中国に対する包囲網があるにせよ、台湾の人たちが「自分の身は自分で守る」という意思を示しているからだと思う。
中には「多分ダメだろうな」と思っている人もいるだろう。私の住んでいるマンションのオーナーも台湾の人だ。台湾に財産を持っていても中国に占領されれば無くなってしまうから、外国に財産を移すという人もいると聞く。
それでも台湾の姿勢は日本が忘れていたものの一つだ。
国のために尽くした人に礼を尽くさず、現代においても国を守るために訓練する人を妨害するなど、有事の際はどうするつもりなのかと思う。そういう人は有事など起こらないと思っているし、仮に思っても「話し合い」で解決出来ると思っている。
中華人民共和国も考え方は同じだ。平和的に統一したいと言っている。しかし統一されたくないとなれば武力行使も否定していない姿勢を見れば、台湾も自分の身は自分で守るしかない。それが台湾の人たちは分かっているのだ。
平和というものは与えられるものではなく、先人たちが命懸けで勝ち取ったものであることを忘れてはいけないのだ。