(1)時代の変化と共に
第二次ベビーブーム、完全失業率4%時代、就職氷河期などの時代をくぐり抜けていた私の世代から考えれば、信じられない時代になったものだ。「お前の代わり何かいくらでもいるんだよ」と言われ、ゴミのように扱われた我々世代である。常識という点を含め、面接でもどのようにすれば印象が良くなるか、つまり自分本位でなく、相手にどうすれば受け入れられるかが問われる時代だった。
(2)常識が変わっていく
例えば履歴書の写真。
昔はキチンと写真屋で撮るとか、最低でも証明写真だった。以前、ヘルパーを募集した際に履歴書を見ると、飲み会の時に取ったであろうスナップ写真の人もいた。それは若い人ではなくそれなりに年配の人であったので、「この人は常識が無いんだな」という印象を持った。
記事にもあるように、写真なら何でも良いとばかりにプリクラの写真を貼る人、そして最近は加工の写真を貼る人がいるという。
履歴書を見た面接官は頭を抱える事だろうと思う。
それだけではない。
我が社でヘルパー募集の広告を出した際、「ヘルパー3級の資格を取れるところを教えて欲しい」という問い合わせがあった。理由は「少しでも楽な方法で資格を取って、お宅に就職させてもらいたい」という事であった。丁重にお断りしたのだが、今後、こういう人を使いこなしていかなくてはならないと思わせる出来事だったと思う。それが10年以上前の話だから、果たして今はそれ以上にこちらが想像つかないような人を扱わなくてはならないと思うとぞっとする。
(3)「働かせてください」から「働いてください」の時代へ
こういうことを「劣化」という言葉で片付けていられない介護業界である。どんな人でもいなければ人員基準に満たなくなり事業を廃止しなくてはならないからだ。
しかし少子化の波は介護業界だけではなく、全産業に言えることだろう。しかもそこにパワハラだのモラハラだのというものも加わる。ミスをした部下を注意するにも気を使うというのが現状だ。
しかしおそらくだが、10年先、20年先に生き残っている会社はこういう人たちを使いこなす能力があったという事だろうと思う。
物事はすべて結果論である。
正しいから勝つのではなく、勝ったから正しいのである。歴史というのはそういうものだ。
この記事を含めて、というより昔から「最近の若い奴は」というのは年配者の常套句である。だから結果を見て判断するしかない。
それでもしダメだったら、その時に検証が必要という事だ。
まあ、結果がどうあれ、我々に何かできるわけでもない。
今できる事と言えば、期待して祈るだけなのである。