役所がケアマネにやらせるシャドーワークは「正しい」シャドーワーク | ケアマネ時々卓球、時々その他

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仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

 

(1)私には必要ない「主任ケアマネ」の資格

居宅介護支援事業所の管理者要件に「主任ケアマネ」が必須になるという報道を受けた時に区役所に聞きに行ったことがある。その時の担当が「主任ケアマネを受けるには区の推薦が無くてはならないが、管理者になりたいというのはダメだ」という事を言われた。

 

まず主任ケアマネとはなにか?

「主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)は、ケアマネジャーの上位資格です。他のケアマネに対するアドバイスや指導・育成、医療や福祉サービスを提供する機関との連絡調整などの役割があります。」(コメディカルドットコムのHPより引用)そして一般のケアマネと違うのは「他のケアマネの育成」という点だけである。

 

そうであれば、一人ケアマネの私には関係ない。

他に雇う必要があれば、そのケアマネを育成指導する必要もあるが、私は雇う気もない。

 

そういう、個別で考えれば必要のない事がこの介護保険制度にはたくさんある。

 

(2)主任ケアマネの推薦要件、勉強する事

①推薦要件

主任ケアマネを受講するには5年間のケアマネとしての実務経験が必要になるが、その他にも推薦要件がある。

 

世田谷区から抜粋する。

・研修終了後は最低1年間は世田谷区で働く事

・地域包括ケア会議に参加している事

・区の事業に協力する事

・他の事業所のケアマネの指導も行う事

 

これは世田谷区だけではなく、何処の区でも同じような要件である。つまり区に協力する事が第一で、その意思があるものを推薦するという事である。

 

②研修内容

科目 講義時間
主任介護支援専門員の役割と視点 5時間
ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援 2時間
ターミナルケア 3時間
人材育成および業務管理 3時間
運営管理におけるリスクマネジメント 3時間
地域援助技術 講義および演習6時間
ケアマネジメントに必要な医療との連携および多職種協働の実現 講義および演習6時間
対人援助者監督指導 講義および演習18時間
個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開 講義および演習24時間

 

この70時間の研修で、費用は4万円ほどだそうだ。

 

まあ、管理業務と言えなくもないが、果たしてそれは必要なのかと言えば疑問に思う。

 

利用者にとって悪いケアマネとは、モニタリングにもいかないとか、電話にも出ないとか、必要な時に役に立たないという点が大半である。そんなことなら信頼されなくて当たり前だし、そういう人は上位資格を取っても意味がない。

 

ついでにそういうのは社会人として、圧倒的に失格なわけで、管理指導してどうなるものでも無いと思う。

 

(3)一人のケアマネとして

さて、冒頭の区からの「主任ケアマネを受けるには区の推薦が無くてはならないが、管理者になりたいというのはダメだ」という事を言われたことについてだが、先に挙げた通り、区からの希望は、区に協力してくれる人間という事だ。

 

そうであればケアマネを公務員にすればよい。しかしそうすることは無いだろう。

 

しかし記事のように主任ケアマネを受講する人が増えたという事は、居宅の管理者に必要だから受講するのであって、区に協力したいと思う人は少ないだろうと思う。

 

そもそも区の行事の依頼などは無料である。

要するに、専門職であるケアマネを無料で都合よく使いたいという事としか思えないのだ。

 

ケアマネのシャドーワークというのは今まさに問題になっている事だが、役所がケアマネにやらせるシャドーワークは「正しい」シャドーワークのようだ。

 

今は経過措置で令和9年3月まで、主任ケアマネを取らなくても居宅介護支援事業所の管理者はできる。私はそこまではやるが、それ以降は我が社ではやらない事に決めている。

 

それまではいちケアマネとして、現場で頑張るつもりである。