(1)ケアマネという窓から介護を見ると
とある記事に対するケアマネのコメントで完結にまとまったものがあったので紹介する。
「お上は未だケアマネは人気職だという頭が抜けない。
現場を脱したい面々がその資格を取得すればデスクワークに転じられるとまぁ当初は確かに人気だった。
そこに付け込んで資格を更新制にして高額な研修費を設定。
主任ケアマネなんていう全く意味のない資格まで作り出し、なかなか資格取得に乗り出さないと今度は管理者の就任要件にしてジャブジャブ集金…。
都合のいい天下り先にして、散々甘い汁を吸い尽くしてきた。
ケアマネ協会もその恩恵に預かってきているから逆らえない。
介護に携わる人達を低学歴で底辺と見下し、搾取するだけして待遇改善を全く図らずに責任と仕事量だけ膨大にし、散々食い物にしてきた。
その上受験資格まで変更し、介護職上がりのケアマネは必要ないと受験市場から追い払った。
それが今の現状を生み出していることは明白。
8年もかけて誰がこんな悪待遇な仕事に就きたがるのか。
責任と膨大な仕事量、そして資格を維持するための高額な研修費に現場より安い給料…。
最早誰もその職に就きたがる人材はいなくなり、現場に立っているケアマネ達も遂に拳を振り上げた。
慌てて今右往左往しているようだが、既得権益を手放さずに事態の収拾を必死に図ろうとしてるせいで、もう支離滅裂ですね。
介護保険はケアマネジャーが軸なのに、そのケアマネを馬鹿にして見下してきたツケが回ってきただけです。
どんどん声を上げて突き上げましょう。」
ケアマネという仕事はやろうと思えば限度が無い。
それは利用者も家族も、そして制度からもその期待は伺える。しかし頼りにされるというのは「いざ」という時とは限らない。
しかもケアマネというのは介護現場での実務経験が5年以上、そしてそれなりに難しい試験を合格した人である。
つまりそれなりにスキルが高い。
(2)ケアマネを「使いこなす」という事
このブログでも何度も取り上げたが、一般的に介護の仕事をする人間は気持ちが優しい人が多い。「利用者の為に」という気持ちが強い人も多い。
そしてケアマネは「介護のプロ」であり、人としても頼りになりうる存在である。身近にいて上手に使いこなせば介護の場面で必ず役に立てる仕事である。
逆にそれだけ「デキる」人は周りを見ても中々いないだろう。そうであれば、いかなる場面でも「使い込む」事を考える人もいないでもない。
そう、ケアマネは一瞬で「便利屋」に成り下がる。
基本的にそれは利用者のみならず、家族も病院も、そして行政もそう思っていると思う。
行政は違うという人がいたら、なぜ法改定で利用者に不利益になる事を、役所がきちんと説明しないのかを教えて欲しい。パンフレットで案内している、もしくは電話すれば説明すると言うだろうが、なんだかんだ言ってもその不満のはけ口にされたのはケアマネだという現実をもっと理解して欲しいのだ。
ケアマネの連絡会ではそういう声をやくそにぶつけたこともあるだろう。しかし役所の本音は「ケアマネが利用者と信頼関係が出来ているなら説明できるだろ」という事だ。つまり役所のケアマネを便利屋として使いたがっている。
さらに言えば居宅介護支援事業所の管理者要件として主任ケアマネを義務付けたのが何寄りの証拠ではないか。
人は当たり前だが、頼りにされれば力になりたいと思う。しかし便利屋としてこき使われるとなればどうでも良くなるのが心情だという事が分からないだろうか。
(3)ケアマネを守る気はないだろう
この図は以前にも載せたが、利用者が必要とされる支援内容が以下の通りとするならば、ケアマネの本来業務はほんの一部という事になる。

私を含め、多くのケアマネは上記の法定業務だけで終わらせたいと思っているはずだ。しかも勤務時間内で終わらせたいと思っているだろう。
しかし家族対応などはそうもいかない場合も多い。
だからそれこそ勤務時間など決められない「自由業」みたいなものだし、そういう働き方を認めないと、仕事はいつまでも終わらないという事にもつながる。
記事では保険外業務が云々あるが、介護保険始まって以来、利用者から報酬を受け取った事が無いケアマネが、徴収できるかがそもそも疑問である。
更にガイドラインを設定したところで、その線引きが難しい。
つまりこれは介護保険外と位置付けることによりシャドーワークを明確にし、ケアマネにやらせようという事だ。さらには保険外の金額設定は難しい。それに救急搬送などの緊急時に保険外サービスの契約なんてできない。そう想定すればシャドーワークをやらせる根拠にもなるのだ。
現場を知らない人が適当に設定したところでどうなるものでもない。おそらく多くのケアマネはこんなことを期待していないし、バカバカしいと思いながら白けて仕事をしているのが現状だ。もう、そこまで行ってしまっているのだ。
まあ、せいぜい頑張って検討してください。
そもそも保険外をやらないからと言って質がどうのこうの言っても、そもそもケアマネは少ないのだから仕事が無くなることは無いよ。
ちなみにこれが決定ならば、救急車の同乗するというのは1回10万円くらいで金額設定するつもりだ。いやなら他に行けば良いだけの事。
