(1)そもそも主任ケアマネ
居宅介護(ケアマネ)支援事業所の管理者要件に主任ケアマネが必要となり、コロナ禍による経過措置もあったが令和9年3月までに全事業所の管理者に取得が義務付けられた。
すでに新規申請では管理者が主任ケアマネでないといけないとなっている。
そもそも主任ケアマネとは何か?
細かい話は色々あろうが、一言で言えばケアマネージャーの上位資格という事になる。
制度が成熟してきて、「量より質」という時代に入れば、上位資格の必要性は当然である。しかし今のケアマネをはじめとする介護業界はどのような状態か。少なくとも人手不足であり、離職者も後を絶たない。そういう状態で「質の向上」というお題目でハードルを上げることが正しいとは思えないのだ。
(2)主任ケアマネの推薦要件
ただ、推薦要件、特に主任ケアマネの資格を取った後に居宅介護支援事業所に求めるものが見えて来る。
東京都豊島区ページで見てみる。
みなみにこれは検索して早く見つけたから乗せるのであり、どこの自治体も同じである。
「(研修終了後の協力)
第6条 豊島区の推薦を受けて東京都主任介護支援専門員更新研修を終了し、名簿登録された者は、以下の協力を行うこととする。また、豊島区は、研修修了者の名簿を地域包括支援センター等に提供することができる。
(1)豊島区及び地域包括支援センターが行う事業及び地域ケア会議に参画及び出席依頼があった場合は積極的に協力すること。
(2) 豊島区及び地域包括支援センター等からの支援困難事例の受け入れに積極的に取り組むこと。
(3)地域貢献や他の事業所の介護支援専門員に対する指導・助言などの役割を担うこと。
(4) 勤務先の変更・退職時には、豊島区高齢者福祉課基幹型センターグループまで、その旨を連絡すること。」
要するに、主任ケアマネとは一般のケアマネに指導するほか、区の行事や面倒な事も引き受けろ、つまり自治体の言いなりになれという事である。
個人的意見だが、私はそれには背を向ける。
私は今、一人ケアマネとして事業所を経営しており、今後も職員を採用するつもりはない。
そして一人のケアマネとして現場にいたいと思うのだ。
研修終了後の協力は、通常の業務以外の事も義務付けるもの。自治体が行う事業は自治体が行えばよい。
しかしそういう個人的な意見は通らないのが分かっているから、私は令和9年3月をもって、事業所を閉鎖する。
(3)主任ケアマネが管理者になっても
そもそも記事によれば主任ケアマネの役割すら整理できていない。何のために居宅介護支援事業所の管理者に主任ケアマネを義務付けたのかも整理できていないまま進んでいる。
ツイッターの投稿を見ても、まず研修内容が馬鹿馬鹿しい。講師がパワハラ。厚労省は主任ケアマネという名の無償ソーシャルワーカーを生み出そうとしていると肯定的な意見はない。
そもそも主任ケアマネの研修内容と管理業務は全く別物である。
それから主任ケアマネがいるから加算が取れる=給料が上がるというのもそうとも限らない。
まあ、こんな記事が出t来ること自体、厚労省のこじつけるための慌てっぷりと言うか、何とも滑稽である。
まあ、好きにすればいいさ。