(1)ケアマネは24時間受付
居宅介護支援(ケアマネ)事業所の重要事項説明書のモデルに緊急連絡先として「担当介護支援専門員緊急連絡先にて24時間体制にて受付」とある。
おそらくこの「受付」という文言の解釈は分かれるのだろうと思う。
理想を考えれば、夜勤として当番のケアマネがいて電話対応し、何かあれば訪問するという事だろう。しかしそんなことは出来るわけが無いので、多くの事業所は会社の携帯に転送させ、持ち回りで対応するという所が多そうだ。
私は個人で行っているので、どちらも当てはまる。名刺にも自分の携帯電話の番号を載せている。これは24時間365日、いつでも相談に乗る、といった決意の表れであり、安心を売る商売としては一つのポイントであると思っている。
(2)さほど多くは無いが
とはいえ、そんなに電話がかかってくるのかと言えばそんなでもない。夜討ち朝駆けでかけて来るのはほんの一部の人である。
一番びっくりしたのは朝の5時に電話をかけてきて開口一番「あんた、寝てたでしょ?」から始まり、「私さ、○○病院に行こうと思うんだけど、どう思う?」というどうでも良い内容の電話があった。
他には認知症の人で、同じ内容の事を毎日のようにかけて来るとか。それは私なら良いが、ヘルパーにもかけていたようだ。
心配だから話を聞いてほしいという思いはあるのだろう。その利用者に気持ちはわかるが、ヘルパーにもプライベートがあるから、電話するなら早い時間にしてくれと話したところ、分かってくれた。
それでほぼ全部と言って良いと思うが、変な時間帯に緊急で訪問したという事は10年ケアマネをしていて1回もない。
大体は別の時間でも良いという内容である。
だからその場で出なくて後日かけ直しても文句を言われたことは無い。
それで時間外に電話をかけて来るのは利用者だけではない。サービス事業所も平気でかけて来る。
ツイッターの投稿では21時過ぎに電話をかけてきて「○○ケアマネはお手すきですか?」と聞いてくるやつもいるという。
確かに労働時間という観点から見ると、見直しは必要なのだろう。
(3)現実的な24時間対応とは
そう考えれば留守番電話にしておいて、その内容によって行動するという事が一番現実的ではあるというのが実感である。
時間外にかけてくる人というのは、つながらなくてもしょうがないという気持ちも持っている。先にも書いたが、電話に出なかったからけしからん!と言われたことは一度もない。
それでも高齢者の転倒や病気などのトラブルは時間を選ばない。そういう場合は時間帯など言っていられないが、そういう場合はこちらに電話するよりも119番に電話すべきだ。
確かにケアマネが24時間電話対応する必要は必ずしもない。
その検討はしたほうが良いかもね。
非現実的な方法としては、時間外は「有料ダイヤル」なんてならないかな。その時間は基本通話料プラスがかかって、ケアマネの事業所に収入が入る仕組みとか。
それでもカスハラをする人には関係ないかもしれないけど。