(1)ヘルパーは休めない
今年の台風は「記録級」とか「過去最大級」という言葉が多く聞かれた。しかも「不要不急の外出は控えるように」というのは、もはやテンプレートでである。
そんな中でもホームヘルパーは自転車で走る。
ヘルパーは春夏秋冬、台風だろうが炎天下だろうが休むわけにはいかない。「今日は台風だからおむつ交換は我慢してね」なんて言えるわけがない。
人の生活は日曜日も祝日も関係ない。
それがこの仕事の役割でもあり、ヘルパーの誇りでもあるのだ。
(2)家族の気持ちも分かるが
私のケースを一つ紹介する。
要介護2の女性。家族はこの方に何とか歩き続けてもらいたいと希望している。なのでヘルパーには何とか買い物に一緒に行ってもらいたい。
しかし、本人はそれどころではない。炎天下で買い物なんか行きたくないのだ。もう疲れたと言い、家族の気持ちも負担になっている。
ヘルパーに強い口調で断る事もあるという。
そうした時にヘルパーは代行に切り替える。
しかし家族は「ヘルパーが面倒なのだろう」と捉えて、ヘルパーに怒鳴ったことがあるという。
結果として事業所を変更することになったが、こうして悪者の役割を担ってしまう事もある。
(3)もっとヘルパーの声に耳を傾けるべき
こうして見ると在宅のヘルパーというのは本当に大変だと思う。私のケースでも延々と愚痴を聞かされる人とか、セクハラのリスクがある人もいる。
そうした精神的な負担というのは全く評価されないのだ。
そりゃ、介護の仕事なんてやりたくなくなるというもの。
ましてや景気が良くなって、介護以外にも求人があるなら、そっちの方に行くのは当然と言えば当然。
何が楽しくて、精神的に負担を強いられ、身体的にも負担になり、安い給料でこき使われなければならないのかと思う人もいるだろう。
このままでは本当に介護は崩壊する。