(1)怪しげな人としか認識できなかった
随分前だが、我が社に町内会の役員を名乗る人間が来て、「町内のマップを作って、会社を載せてやるから3000円払え」と言ってきた。それを断ると「じゃあ、2000円でいい」というので、金は払わないからマップに載せないで良いと返事をすると無愛想に何も言わずに帰って行った。正直「余計な事はするな」と言いたい気分である。
後日、他の町内の人から聞いた話だが、この周辺は転勤者が多く、地域に何があるか分からないのでマップを作るところが増えているということらしい。例えば一人でも入れる居酒屋であったり、情報提供が趣旨らしい。
広告にお金を晴らすのはメリットがあるか無いかが大きい。例えば我が社は回覧板の広告にヘルパー募集の広告を出したことがある。ただ乗せるだけでメリットが無いならお断りだ。
しかもその時に来た人は全く見ず知らずの人だ。そんな怪しげな人に金を払えと言われてもそれは無理というものだろう。
(2)町内会の役割は本当な必要
町内会というのは地域住民のつながりという点で必要ではあると思う。お祭りなどの地域行事や、介護が必要になるであろう世帯の把握であったり、人間関係が希薄な現代の都会であるからこそ、そういう場が必要であることは理解している。
しかし町内会の問題というか、釈然としないものは以前からあった。
例えば町内会に入っていないとゴミ置き場を使わせないとか、街灯の電灯の交換に町内会費が当てられるとか聞いたことがある。
それは場合によっては地域住民の中でもマウントを取るような感覚を持たれる場合だってあるだろうし、町内会離れの一因にもなっただろう。まあ、最近はマンションも多くなったのでゴミ問題は皆無だし、電灯は公費で賄うだろう。
(3)ボランティアに責任を負わせるな
町内会の立場では、こうした人がやりたがらない地域の仕事をボランティアでやっているんだから、多少の飲み食いくらいは会費で出してくれてもいいじゃないかという気持ちもあるだろう。
昔は地域の有名な人が町内会長をやったりしたようで、そういう人は会費から飲み食いするなどケチな事はしなかったようだ。ところが自営業が減り、サラリーマン時代になり、自分の生活にも余裕が無いとなればボランティアというのは負担でしかない。
介護の視点から見ても町内会や民生委員などの地域の役職の方は一人暮らしの高齢者の把握や近隣住民との関係などを把握する上でアテにするが、町内会も徐々に廃れてきているようでアテに出来なくなるだろう。
というよりボランティアをアテにするということ自体がおかしい。
やはり役割を担うならそれなりの報酬が必要だ。
そしてボランティアというのはその人が出来る範囲のものを行うもので、決して責任を負わせるものではない。
町内会はそうした地域での名声と、人としての責任感があればこそ成り立つものであると思う。