(1)人生摩訶不思議
私は大学卒業してからほとんどを高齢者の仕事に従事している。初めは病院、その次は老人ホーム、そして一般企業の営業職を経て起業して、今の在宅介護の仕事を20年ほど行っている。
大学の時は児童方面への就職を希望していたので、高齢者の方は全く勉強しなかったと言って良い。
これそれまでの自分の生き方で、楽しくない生き方をしてきたというのがベースにあったからだと思う。
そういう意味で高齢者には単純に興味が無かったのだ、。
それでも就職活動は大変で、結局就職が決まったのは大学4年の3月中旬だった。
大学の時に全く興味が無かった分野で今でも仕事をしているのだから、人生不思議なものである。
(2)収容施設から脱却できていない
しかし、老人ホームで働いている時は思った世界と違っていたと今では思う。
何が違っていたかと言えば、老人ホームの職員と言うのはタダの管理人のようなものだったからだ。
それはおそらく日本の施設というものが、戦争後に出来た収容施設で、問題なく運営できるという事から脱却できていなかったからだろうと思う。
単純に余裕が無かったのだ。
ルールを破ればさらに締め付けは厳しくなる。
そうした「管理」の世界は、自分が老人ホームに入りたいですか?という問いに「NO」と言わざるを得ないと考えるようになった。
(3)ケアマネージャーの仕事
それから一般企業を経由して、今は在宅介護の会社を起業して、ケアマネージャーの仕事をしている。
当然、何か問題が起こらないよう注意はしているが、問題が起こってもそれはそれで良いと考えている。
それは床に何かこぼしたら拭けば良いというのと同じで、人が生きていれば何も起こらないわけはない。
それをどう処理するかが大切なのだ。
今はそうした事を前面に出せる立場なので、誰にも気を使わずに自由に出来ている。
これがあのような施設だったら、自分の持ち味は出せないだろうなと思う今日この頃である。