(1)人は未熟なうちは人に頼らなければならない。
家庭では子は親を頼り、学校では先生や先輩に頼り、会社に入ればなんだかんだ言っても上司に頼る。
社会人になったら、学生の時とは質の違う困難が待ち受けている。理不尽な事もある。忸怩たる思いで受け入れなければならない時もある。「間違っている」と思いながらもどうにもできない自分にがっかりする時もある。そして「このやり方の方が上手くいくのに」と思いながらも提案すれば他の人の手柄になったりすれば面白くないし、何しろそれが本当に正しいかは分からない。
独立起業というのは反抗期から大人への成長過程のように、世の中にぶつかっていくというエネルギーの塊のようなものかもしれない。
(2)成長の三要素
江原啓之氏によると「上司になる事、独立する事、親になる事」は成長の三要素であるという。
起業が全てではない。会社の中で頑張っていくという手段を取るならば、年を重ねるうちに任せられる責任も重くなっていく。そして人の上に立つことで自分も成長するという方法もある。
そして起業するという事。老若男女問わず自分の会社を持ちたいと思う人はそれなりにいるだろう。起業、独立、それが美辞麗句になるかは分からないが、自分の考えで仕事を行いたい、その上で生計を立て、世の中に認められたいというのは悪い事では無い。
逆に「不幸の三原則」というのは「自己憐憫・責任転嫁・依存心」である。
(3)社長になってから
私は起業して20年以上たつ。
今思えば、だが会社を経営する立場になって本当に色々と勉強した。世の中の事に興味が持てるようになった。そういう意味では成長したと思う。
ただ、今後も社長をやらないかと言われれば断るだろう。
やはり雇われている方が気持ちも楽だと思う。
勿論、雇われる側が楽をしているという事ではない。
経営する側は、自分の、そして社員の命を預かっているという覚悟が必要だ。そこまで思わなくていいかもしれないが、社員が「どこの会社で働いているの?良い会社なの?」と聞かれた時に「ダメな会社」と言わせたくない。だから所作を含め、自分の身を律する必要がある。
経営者は24時間365日、経営者なのだ。
記事では「社長になる事が目的云々」があるが、立場が上がる程プレッシャーは大きい。思ったほど楽しいものではない事だけ言い添えておく。