(1)誰もが考える保険外事業
介護保険の仕事をしようとする時、保険外事業で何が出来るかを考えた人は多いだろう。簡単に思いつくのは今いるヘルパー(戦力)で何が出来るか、という事。それを考えれば、例えば大掃除のような、介護保険では算定できないような事を自費で行うという事はおそらく誰もが思いつく。
介護保険における生活援助というのは解釈が難しい。
有名な所だと、窓ふきは出来ないとか、電球の交換はしてはいけないとか、つまりは大掃除に該当する所は介護保険ではできないという事である。
我が社でも仏壇掃除を「これは重大な不適切事例だ!」と実地指導で大騒ぎされたことがある。
そんな事で騒がれるのであれば、最初から会費などをもらって、介護保険で出来ない所もフォローできる体制を作っておきたいというのは考えるに難しくない。
(2)旅行という娯楽を
高齢者で旅行を諦める人は多い。
そこを狙って、旅行会社でも企画を組むところもあるようで、報道の範囲で知っているのは北海道の遊覧船。車いすになっても流氷が見られるというものだった。
しかしこれは船に車いすごと高齢者を載せるのに四人がかりで載せていた。これだけ手間がかかり、しかも安全と言い切れないものを長期的に実施できるかと言えば疑問である。
そんな事を考えれば、「旅行なんてみんなの迷惑になる」と遠慮する高齢者は多いだろうと思う。
それを体制を整えて商品にするというのは大いに価値はあるし、利用する人は不安を抱えながらも行って良かったと思える可能性はあると思う。
(3)金がかかっても良いなら
介護保険では個人の趣味や娯楽に関わる支援が出来ない。だからそうした事をしたければ自費でしか対応は出来ない。
介護従事者がこのような「何でも」「御用聞き」のように行うなら、それにはそれだけのコストがかかるという事。
ついでにこのような旅行同行ヘルパーは、家族との信頼関係構築も大事。やはり旅行に行くというのは気心知れた仲の良い者同士で行くものだからだ。
世の中には何でも屋という人もいる。
金がかかっても良いなら、そういう人をチームに入れておくという事は、高齢者のQOLを高めるのに必要かもしれない。娯楽がQOLを高める唯一の手段とは思わないけど。