(1)高まる不安と不満
今回の訪問介護の報酬削減、喜んでいるのは財務省だけだろう。まだ今年度が始まって数か月というのに、倒産や事業廃止の話が相次ぐ。今までだって決して高い報酬が得られたわけではない訪問介護にさらに削減、搾り取れるところは血の一滴まで搾り取ってやろうという執念さえうかがえる。
私がケアマネ業務で、ではヘルパーがそんなに不足しているのかと聞かれれば、そうでしょうねという答えになる。しかし、そんなに危機感を感じていないのは、広域で展開している訪問介護事業所があるので、そこに頼めばそれなりに何とかなるという目算があるからだ。
しかし、何でもかんでも受けられるという状況ではない。
以前は、一つの仕事を断ったらあとが無いという危機感が訪問介護事業所にあったが、最近は平気で断ってくる。その点でもケアマネと訪問介護の関係というか、訪問介護の立場が強くなったのだろうと思う。
(2)金持ちのアドバンテージは無い
では金持ちなら良いのかという話だが、在宅介護においてはそれは無い。というのも金を出せばヘルパーが来てくれるということは無いからだ。仕事として優先されるのは身体介護の重い人とか、客単価の高い人は優先されるだろう。
それ以外の、例えば生活援助に見であれば客単価も安いので、たとえ金持ちであっても断られるという事になると思う。
(3)もう施設しかないだろう
今後、このままでいけば在宅での介護は非常に困難になる。となるとどうすれば良いかと言えば、もう施設入所しかない。
それこそお金があれば有料老人ホームから選択肢がある。金が無いならそれなりの施設しかないが、在宅生活がきついとなればもうそれしかない。
施設から在宅へと舵を切った介護保険だが、結局は施設に戻るという事になるのだろう。
